サ高住の業務はシステムで効率化できる?導入メリットや注意点も解説
2023.07.03
サ高住の業務には、効率化が可能な業務と効率化が難しい業務があります。効率化が可能な業務として代表的なのは、請求業務などの間接業務です。一方で利用者に関わる直接業務は、効率化すると思いもよらぬ事故やトラブルのもとになります。
この記事では、サ高住の業務にシステムを導入することで得られるメリットや注意点について解説します。介護人材不足が懸念される中、必須となる業務効率化のヒントが得られますので、最後までお読みください。
サ高住の重要性とは?
サ高住は介護度に関わらず入居が可能で、自己負担で外部サービスを受けられるため、生活の自由度が高い特徴があります。その一方で、契約時のサービス内容の理解が不十分なことが原因で、事業者とご家族の認識のズレが生じるケースは少なくありません。
とは言え、国が在宅介護を推進している現状を考えると、利用者やご家族の方にとってサ高住の存在は大きいといえます。
サ高住は新規開設時に国から助成金や補助金が受けられるため、初期投資を低額に抑えられることを理由に、登録数は右肩上がりに上昇を続けています。
(※)参照:国土交通省「情報提供 サービス付き高齢者住宅の現状等」3頁
競合他社との差別化を図り、事業を継続していくためにはシステム化による業務の効率化が必須です。
サ高住の業務効率化が必要な理由
サ高住の役割は、自立度が高く住み慣れた地域での生活を望む高齢者のニーズを満たすことです。
介護型のサ高住では、特別養護老人ホームの空室待ちで入居先を探されている高齢者の受け入れも行っています。利用できるサービスの自由度の高さが、サ高住とほかの介護施設との大きな違いです。
一方で事業者側にとっては、以下の問題があります。
- 一般型、介護型ともに職員の業務負担が大きい
- 月額利用料の計算が複雑になりやすい
- 夜間帯の医療連携に不安がある
これらの問題を解決するため、サ高住の業務効率化が必要です。
関連記事:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の問題点とは?現状と解決方法
サ高住の業務はシステム導入で効率化できる?
厚生労働省の報告によると、ICTを導入した介護事業所で以下の効果があったことが分かっています。
- 情報共有がしやすくなった 90.3%
- 事業所内の情報共有が円滑になった(話し合い時間の増等) 88.0%
- 入力済みの情報を他の文書でも利用できるようになった 84.8%
- 文書作成の時間が短くなった 81.9%
etc.
(※)参照:厚生労働省「ICT導入支援事業 令和3年度 導入効果報告取りまとめ」6頁
この結果から、サ高住でもシステム導入による効率化が期待できるといえます。
厚生労働省は介護現場におけるICT化の促進を推奨しており、施設形態に応じた多種多様なシステムが市場に出回っています。
業務効率化を目的とした代表的なシステムは以下があります。
- 介護システム
- 医療介護連携システム
- シフト作成システム
- 見守りシステム
- 会計システム
など
介護システムに限っていえば、サ高住の対応製品はおよそ20種類リリースされています。
サ高住にシステムを導入するメリット
先述したとおり、サ高住では業務効率化が必須であると同時に、システムを導入することで効率化が可能な業務は多岐にわたります。システムの導入によって得られるメリットとして、以下の内容が挙げられます。
夜勤職員の巡回による負担を軽減できる
夜間帯は人員が手薄になるため、転倒事故のリスクが高くなります。特に転倒リスクの高い入居者がトイレに立たれる際には、介助が必要です。
見守りシステムを導入することで、夜勤者の巡回による業務負担を軽減することができます。ドアを開ける音で入眠中の入居者を起こしてしまうこともありません。
職員間で情報共有をスムーズに行える
サ高住では、1人の利用者に対して複数の介護職員がケアに関わります。日中帯と夜間帯との利用者の情報共有は特に重要です。
口頭伝達の欠点は忘れてしまったり、その場にいない職員に情報共有ができなかったりする点です。さらに「言った言わない」問題が起こる可能性もあります。
デジタル端末に文字情報として記録を残しておけば、離れた場所にいてもスムーズに情報共有を行うことができます。紙媒体のように、紛失や情報漏洩の心配もありません。
利用者のご家族と事業所間で情報連携を行える
システムを導入することにより、利用者の最近の様子をご家族に尋ねられた際、スムーズに情報をお伝えすることが可能です。
紙媒体による管理では、情報検索に時間を要したり一元管理できなかったりといった問題がありますが、システムを導入することにより、紙媒体の管理による問題は解消できます。
月額利用料の計算などの手間やミスを防げる
サ高住の基本サービスは安否確認と生活相談のみで、介護サービスや外部サービスはオプション扱いです。サービスの追加利用があった場合、月額利用料金の計算が複雑になるため、手間がかかったり請求ミスが起こったりする恐れがあります。
システムの導入により、複雑な計算は自動処理されるため、請求ミスが発生するリスクを軽減できます。
また入居者の入院や外泊、欠食などの情報を登録しておけば、請求データに反映させることも可能です。
入居率を把握できる
サ高住の入居率の把握は事業所の収益に直結するため、経営上の最重要課題です。システムを導入しておけば、部屋の空き状況の問い合わせがあった際にすぐに対応することができ、新規入居者の獲得に繋げることができます。
システムによっては、問い合わせ状況や見学状況など入居希望者のデータを管理できる製品もあります。
コストを削減できる
システムの導入により、ペーパーレス化につながります。帳票書類などを印刷する必要がなくなるため、用紙代やインク、トナー代などの印刷コストを削減することができます。
紙の印刷にかかるコストは費用だけではありません。複数の事業所にFAXを送信する場合など、手間と時間のコストが余計にかかります。システム導入によって、費用だけでなく時間的なコストも削減できます。
収益の安定や向上につなげられる
現場の職員の業務負担が減ることによって、ゆとりを持って利用者にサービス提供を行えます。サービスの質が上がることで顧客満足度が向上し、入居望者の増加が期待できるため、収益の安定・向上につながると考えられます。
職員の残業時間を短縮できるため、職員の満足度を高めることが期待できるでしょう。
サ高住にシステムを導入する際の注意点
システムを導入する際に注意するポイントについて解説します。事業所の要件に合ったシステムを選ばなければ、十分な効果が得られないため、ポイントを押さえておきましょう。
導入の目的や役割を明確にする
システムを導入するうえで最初に行うのは、導入の目的を明確にすることです。同じサ高住でも、事業所の規模やサービス内容によって解決すべき課題が異なるためです。
システム導入に失敗する事業所に多いのは、多機能なシステムを入れても課題解決にまったくつながらないといったケースです。システムを選定する前に、事業所内の課題分析と解決の優先順位は必ず明確にしておきましょう。
自社の体制に合ったシステムを選ぶ
自社の体制に合ったシステムを選ぶことも非常に大事です。しかし、実際に使ってみないと分からないのが本音ではないでしょうか。そこで導入前にシステムのデモンストレーションや無料体験が可能かどうか、営業担当者に問い合わせてみることをおすすめします。
複数のシステムを比較検討して、もっとも使いやすく業務効率化につながるシステムを選ぶと良いでしょう。無料体験が難しい場合は展示会などで操作ができる場合もあるため、確認してみてください。
改定に対応しているシステムを選ぶ
システムを継続して利用するためには、3年ごとの介護報酬改定に対応しているシステムを選ぶことが必須です。システムの入れ直しには、時間やコストがかかり業務に支障をきたす可能性が高いためです。
請求業務に重要な条件となるため、システムが介護報酬改定を想定していないことはあまり考えにくいですが、必ず確認しておきましょう。
スタッフへの相談と周知を行う
どんなに優れたシステムであっても、使いこなせなければ導入した意味がありません。そのため、システム導入前のスタッフへの説明や導入後のレクチャーは欠かせません。
しかし、中には機械操作が苦手な職員や、導入に反対する職員もいることも想定されます。そういった職員には、システム導入によって業務負担の軽減につながり、働きやすくなることを説明して理解を得ることが必要となります。
導入後のサポート体制がしっかりしているサービスを選ぶ
システムの操作方法や動作不具合が起きた場合のサポート体制が重要なのは、言うまでもありません。
電話はつながりやすいか、迅速な対応が可能であるか、非常時のデータバックアップに問題はないかはシステムを選定するうえで重要条件となります。
なお、「ワイズマン」では、システムの操作方法や請求業務に関するお問い合わせなどには専任オペレーターが丁寧に対応しますので、導入後も安心してお使いいただけます。
製品に関しては以下ページからお問い合わせいただけます。
>>「介護・福祉向け製品に関するお問い合わせ」
>>「サービス付き高齢者住宅向けソフト」
まとめ
介護人材不足が懸念される中、システム導入による業務効率化は必須です。システム導入を行う際は、職員からヒアリングして自社の課題分析を最優先に行います。課題分析の結果、優先順位の高い課題を解決できるシステムを選ぶことが大切です。
デモンストレーションや無料体験を活用して比較検討を行うことで、自社に最適なシステムを見つけられるでしょう。
また、システム導入後には、職員向けに操作説明や研修が必要となります。システム操作に関する不明点や不具合が生じた際は、アフターサポートを受けることをおすすめします。
ワイズマンのサ高住向け介護ソフトの詳細はこちらからご覧いただけます。
>>「サービス付き高齢者住宅向けソフト」
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