訪問介護の業務日誌とは?役割や書き方例を分かりやすく解説

2023.07.03

介護職員が苦手とする業務の一つに介護記録があります。訪問介護の業務日誌は介護給付費請求のほか、介護スタッフや他職種との情報連携のために必要です。しかし、一日に複数の利用者宅を訪問することが一般的であるため、業務日誌の記録を負担に感じる方は多いのではないでしょうか。

そこで、訪問介護の業務日誌の役割や書き方の例について解説します。効率的かつ分かりやすい記録の方法が知りたい方は、最後までお読みください。

訪問介護における業務日誌とは?

訪問介護の業務日誌とは、当日のサービス内容や利用者の心身の状況、課題やトラブルなどの連絡事項を事業所内で共有するための書類です。

訪問介護では1人の利用者に対して複数のスタッフがケアに関わるため、サービス状況を可視化するために業務日誌を用います。業務日誌を用いることで、口頭伝達のような聞き間違いや伝達漏れが起こる心配がなくなります。

また、業務日誌は当日出勤していないスタッフが読んでも内容を理解できるように、具体的に分かりやすく記入することが重要です。

訪問介護について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

関連記事:「訪問介護とは?利用条件・費用、サービス内容を解説

訪問介護における業務日誌の役割

訪問介護の業務日誌は、介護スタッフの人員基準を満たしていることや利用者の状態把握ができていることを証明するために必要です。それ以外にも、業務日誌には以下の役割があります。

介護スタッフ間で利用者の情報共有を行う

訪問介護は1人の利用者に対して複数の介護スタッフがサービスを行うことが一般的なため、スタッフ間の情報共有は必須です。

業務日誌には、前回の利用者の様子や注意点、サービス内容などが書かれているため、次回訪問するスタッフが利用者の体調や状態変化に関する情報が分かるようになっています。

利用者のご家族に情報共有を行う

業務日誌は介護スタッフのためだけのものではありません。ご家族に対して、サービス提供時の利用者の様子を共有する役割も担います。

ご家族の不在時に、見守りをかねて訪問介護サービスを利用されるケースが多いためです。

介護サービスの適正を図る

業務日誌には、利用者に提供する介護サービスの適正化を図る目的があります。
介護サービスは、個別のケアプランに基づいて提供されています。業務日誌は、ケアプラン内容に沿ったサービスの実施状況はどうか、目標の達成具合はどうかを確認するために必要です。

サービスの質向上や統一性を行う

訪問介護は、1人の利用者に対して複数の介護スタッフがケアを担当するため、サービス内容の統一を図る必要があります。

利用者のちょっとしたひと言を記録しておくことで、利用者のニーズや不満を把握することができ、必要に応じてケアプランの修正を提案することができます。

介護スタッフをトラブルから守る

万が一、事故や訴訟が起こった際に業務日誌の記録が法的な証拠となって、介護スタッフを守ることにつながります。

訪問介護では介護スタッフと利用者が一対一で介助を行うため、記録を残しておかなければ事実確認がとれず、責任を問われかねません。ご家族から記録の開示を求められた場合に備えて、不備のないように記録を残しておくことが重要です。

訪問介護の業務日誌で書くべき項目

訪問介護の業務日誌の記録は、法令で義務付けられている訳ではありません。しかし、前述の役割を果たすために以下の項目について記載する必要があります。

項目記入内容
利用者名利用者名を正確に記入する
担当スタッフ名担当スタッフ名を正確に記入する
サービス実施日時サービスの開始時刻と終了時刻を記入する
身体介助の内容排泄介助、入浴介助、食事介助などのサービスを提供した際の利用者の様子や発言などを記入する
生活支援の内容掃除、洗濯、買い物代行などのサービスを提供した際の利用者の様子や発言を記入する
保険外サービスの有無保険外サービスの利用があれば記入する
退室確認火元・戸締り確認を行った旨を記入する
特記事項そのほか特記事項があれば記入する

業務日誌には、いつ誰がどの利用者に対してどのようなサービスを行ったのかを最低限記録する必要があります。記録は介護給付費請求を行うために必要な証拠となるためです。

外出支援や理美容などの介護保険外サービスの利用があった場合、介護給付費請求とは別に請求(費用は全額自己負担)が必要になるため、やはり記録は重要です。

訪問介護の業務日誌を書くときのポイント

訪問介護の業務日誌を書くときのポイント

訪問介護の業務日誌を書く時のポイントを3つ紹介します。

事実を記載する

内容を要約することなく、ありのままの客観的事実を具体的に記録することが重要です。

発言内容についても、実際に言った言葉をそのまま記録します。「〇〇そうだ」「〇〇かもしれない」「〇〇と思われる」などの抽象的で主観的な表現は事実といえないため、使用しないように注意します。

また、介護スタッフだけでなく利用者のご家族が日誌を確認される場合もあるため、専門用語や略語は使わないようにしましょう。

5W1Hを意識する

5W1Hを意識して記入することで、より内容を具体的に伝えることができます。

5W1Hとは以下の英単語の頭文字を表しています。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのように)

5W1Hを使った例文は以下のようになります。

「昼食の際、Aさんがおかずを食べにくそうにされていたため、キッチンバサミで切ってお渡しすると「ありがとう」と言って召し上がられた。しかし、食事量は主食7割・副食5割だった。Aさんの食事提供時は、おかずをひと口大に切ってもらうよう連絡事項に記入した。」

5W1Hを使うことによって、実際のシーンをイメージすることができます。

介護ソフトなどのITツールを活用する

業務日誌は紙媒体である必要はありません。介護ソフトなどのITツールを使用すれば、保管スペースや印刷に要するコストの削減につながります。さらに紛失リスクが軽減し、過去のサービス実施記録の検索時間を短縮できるメリットがあります。

何よりも記録に要する時間を大幅に短縮できるため、業務負担の軽減が期待できます。

シンプルな設計になっているため、パソコンの操作に不安がある方も簡単に扱うことが可能です。

なお、ワイズマンの介護ソフトはタブレットでデータ管理が可能です。詳細を知りたい方は、以下からご覧ください。

>>「訪問サービス向け ケア記録支援ソフト

訪問介護の業務日誌の書き方例

業務日誌の具体的な書き方とポイントを解説します。

介助内容

【◯ 良い例】

12時30分頃、Aさんに昼食後の薬の服薬介助を行おうとしたところ「この薬は苦いから飲みたくない」と言われた。10分ほど時間を空けたあと、服用してもらうことができた。

【✕ 悪い例】

Aさんが薬の服用を拒否された。

介助内容を記載する場合、時間や介護スタッフ名、利用者の発言内容を正確に記録する必要があります。また、最終的にどうなったのかということが分かるように顛末を書きましょう。

悪い例には、Aさんが薬を拒否する理由やいつ飲む薬なのか、その後どうしたのかが記載されていません。

利用者の生活周辺の援助

【◯ 良い例】

買い物代行のためにCさんを訪問したところ、「前回訪問に来たスタッフが頼んだものとは違う商品を買ってきた」と言われた。

Cさんに謝罪したうえで、同じミスが起きないように商品名だけでなく製造会社まで確認するようにスタッフへ周知徹底する旨をお伝えした。

【✕ 悪い例】

Cさんから前回の買い物代行に対してクレームを受けた。

利用者からクレームを受けた場合は、経緯や発言内容を正確に記録する必要があります。クレームを受けてどのように対処したのか、再発を防ぐためにどうしたのかを記録に残すことで再発を防止します。

るのか、再発防止の対策は取られたのかが記載されていません。

保険外サービス(有りの場合)

【◯ 良い例】

Dさんが、「来月7日の〇〇旅行会社の日帰りツアーに参加申し込みをした」と言って旅行会社のパンフレットを見せてくれた。

【✕ 悪い例】

Dさんが今度旅行に行くと話されていた。

旅行に出かける日程は必ず記録に残すことが大切です。Dさんが旅行で不在となる間に訪問を予定している場合は、訪問日程変更に伴う人員調整が必要となるためです。

悪い例にはDさんの旅行の日程や期間に関する記載がありません。また、保険外サービスの有無に関する項目(有・無)があれば、有に〇をつけるようにします。

そのほか連絡事項

【◯ 良い例】

Eさんの排泄介助を行った際、「最近便の出が悪くなった」「おなかが張って苦しいので薬を出してほしい」と話されていた。次回の往診で医師に薬の調整を依頼してほしい。

【✕ 悪い例】

Eさんを訪問した際、便通薬の処方を希望されていた。

連絡事項を記録する場合は、利用者の発言内容を正確に記録し、伝えるべき内容を明確にする必要があります。

悪い例にはEさんがなぜ薬の処方を希望されているのか、誰に伝える必要があるのかが記載されていません。

まとめ

訪問介護の業務日誌を効率的に分かりやすく書くポイントは、フォーマットをあらかじめ決めておくことです。

訪問介護スタッフは、1件の訪問ごとに業務日誌を書く必要があります。しかし、移動時間を考えてサービスを終える必要があるため、メモに書き留めて1日の訪問を終えた後で業務日誌を付ける方が多いのではないでしょうか。

訪問が立て続く場合は記録するだけでなく、利用者の情報や事業所からの連絡事項を限られた時間で確認する必要があります。

そういった問題は、介護ソフトを活用すれば解決することができます。ワイズマンの「訪問サービス向け ケア記録支援ソフト」なら、訪問先と事業所など離れた場所からリアルタイムに情報共有が可能です。

事業所からの訪問時間変更や訪問キャンセルなどの連絡事項を外出先から確認することができ、記録の修正もその場でできます。

タブレット端末のほか、スマートフォン端末にも対応しています。製品の機能に関するご質問は、下記よりお問い合わせください。

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