有料老人ホームで対応できる医療行為とは?医療ケアとの違いと注意点

2022.12.05

現在、医療行為を受けている方が介護施設への入居を検討する際には、その施設で医療行為が可能かを確認することが大切です。

医療行為が必要な場合、希望する施設で医療行為ができないと困ってしまいます。

そこで今回は有料老人ホームで対応できる医療行為、医療行為を受ける際の注意点についても合わせて解説していきたいと思います。

医療行為とは?

医療行為とは、その名の通り医師の医学的判断や技術を持って行う行為のことを意味しています。

医療を提供する際に、知識や技術がなければ、人体に危害を及ぼすおそれのある行為になるので、高い知識と技術を持っていることで私たちは安心して医療を受けることができます。

例外として、介護職員による医療行為が認められているケースがあります。血圧測定や服薬管理などが該当し、医療の免許を持っていない介護職員でも在宅介護や老人ホームで処置をすることができます。これらは「医療的ケア」といわれており、日常生活で必要な医療的な生活援助になります。

有料老人ホームで対応できる医療行為

受けられる医療行為は、入居している介護施設によって違います。

現在受けている医療によっては希望する施設への入居が叶わないことや、満足する医療を受けられないことがあります。

ここでは、有料老人ホームで対応している医療行為について、介護福祉士が対応できる内容、看護師が対応できる内容、介護職員が対応できる内容に分けて解説します。

介護福祉士が対応できる医療行為

介護福祉士が提供できる医療行為は下記の通りです。

  • 口腔内の喀痰吸引 
  • 鼻腔内の喀痰吸引 
  • 気管カニューレ内部の喀痰吸引 
  • 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養 ・経鼻経管栄養 など

これらの医療行為は「喀痰吸引研修」を受講し、実地研修を終えた介護福祉士が実施することができます。

喀痰吸引研修は、現在では介護福祉士を取得する際に必要な「介護職員実務者研修」で受けることが義務付けられています。

そのため、実務者研修が義務付けられた平成29年以降に介護福祉士になった職員は、講習を受けていることになります。

※講習は受けていても、実地研修を終えていない介護職員もいます。

看護師が対応できる医療行為

介護施設に常駐している看護師が対応できる医療行為は下記の通りです。

  • インスリン注射
  • 点滴の管理
  • 人工呼吸器の管理
  • 喀痰吸引
  • ストーマの貼り替え
    などがあります

介護福祉士と比べて、対応できる医療行為の範囲が広いです。施設によっては看護師が多く常駐して手厚い医療的ケアを謳っている所もあります。

介護職員が対応できる医療ケア

介護職員が実施できる医療的ケアには次のようなものがあります。

  • 体温測定
  • 自動血圧測定器を用いた血圧測定
  • 汚物で汚れたガーゼの交換
  • 湿布の貼付
  • 軟膏塗布(褥瘡の処置を除く)
  • 目薬の点眼
  • 服薬介助 など

資格や特別な知識や技術がない介護職員でもできる医療的ケアは、思った以上に多いです。

どちらかというと日常生活で提供する医療的ケアは、上記の項目が多いといっても過言ではありません。

有料老人ホームにおける医療職員の配置義務

有料老人ホームには、常勤医師の配置義務はありません。

そのため手厚い医療を受けられる施設で生活をしたい方にとっては、有料老人ホームに入居しても満足いくケアを受けられない可能性もあります。

介護職員と看護師の配置義務は厚生労働省によって定められていますので、最低限度の医療的ケアは保証されています。

【看護・介護職員の配置基準】
①要支援者:看護・介護職員=10:1
②要介護者:看護・介護職員=3:1

になっています。ただし看護職員は要介護者等が30人までは1人、30人を超える場合は、50人ごとに1人配置することになっています。

有料老人ホームで医療行為をする際の注意点

有料老人ホームで医療行為をする際の注意点

対応できる医療行為は施設によって異なる

対応できる医療行為は施設によって異なるので注意が必要です。

施設によって在籍する看護師や介護職員の数も違うので、提供される医療行為にも差が出てきます。

また利用者やご家族からすると、現在は医療行為を受ける機会が少なくても、将来的に体調の変化によって医療行為を受ける可能性も考えられるため、施設見学に行った際には担当者に確認をしたうえで、施設選びをするのがおすすめです。

介護職員、看護師、医師は連携し情報共有する

介護職員・看護師・医師は、それぞれ対応できる医療行為が定められているため、連携して利用者に適切な医療行為を提供する必要があります。

医療を提供するにあたって、医師だけでは適切な医療が提供できるわけではありません。

正しい知識と技術を持った医師がいても、その医師の思いを汲み取ったうえで医療を実行できる看護師や介護福祉士がいて、はじめて医療が成立するのです。

だからこそ連携を取って、柔軟的に対応する必要があります。

まとめ

介護施設の医療行為は各施設によって全く異なりますので、施設見学をしたときに担当の職員に尋ねてみると良いでしょう。

また施設の職員として働くうえでは、施設内で各利用者の希望するサービスや病歴などの情報を共有することで、より満足していただけるサービスを提供することができます。

情報共有に関しては、「有料老人ホーム向け介護ソフト(有料老人ホーム管理システムSP)」のような介護ソフトを利用することでスムーズに行うことができます。

ペーパーレスにもつながりますし、記録の入力や共有する時間の大幅な節約にもなりますので、利用者へのケアに時間を使うことができます。

介護ソフトの大手であるワイズマンは筆者の勤める施設でも実際に導入されており、使用感がとても良いです。

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