【医療業界動向コラム】第191回 令和6年4月から令和8年4月までに、急性期一般入院料の届出が182病院減少。地域包括医療病棟入院料の届出は244病院に

2026.06.12

前回診療報酬改定のあった令和6年度から、令和7年度までの主な施設基準情報の推移について集計をした。対象としたのは、急性期一般入院料・地域包括医療病棟入院料・協力対象施設入所者入院加算で、直近1年間だけになるが、在宅療養支援診療所/病院・在宅療養後方支援病院・精神病床の推移についても整理している。今回は、急性期一般入院料と地域包括医療病棟入院料の推移について確認したい。

急性期一般入院料、令和6年度から182病院が取り下げ。各地で進む急性入院料の集約化

令和6年4月・令和7年4月・令和8年3月・令和8年4月時点の急性期一般入院料の届出状況に関する推移を確認してみる(図1)と、急性期一般入院料の1と4が減少し、他の入院料が増加していることがわかる。具体的には、急性一般入院料1はこの2年間で260病院が取り下げ、急性期一般入院料4は192病院が取り下げていることがわかる。急性期一般入院料2は182病院増加していることから考えると、重症度、医療・看護必要度の厳格化もさることながら、看護師の確保に苦戦していることが伝わってくる。急性期入院医療の集約化は、ジワリと進み、地域における自院の役割の再定義が進んでいるといえる。

図1 急性期一般入院料の推移 (HCナレッジ合同会社にて集計・作成)(クリックて拡大表示)

直近の動きをみてみると、急性期一般入院料4が令和8年3月から4月にかけて14病院の減少、急性期一般入院料の届出を12病院が取り下げていることがわかっており、差し引き9病院の減少となった。急性期一般入院料4が1,000施設を下回るという結果で、各地方厚生局でみると、東北(-4)、近畿(-4)、中国(-5)、九州(-3)という状況だ。令和8年度診療報酬改定では、急性期病院Aの救急搬送受入件数等の実績を満たせない入院料1の病院が、入院料4に届出を変更し、看護・多職種協働加算を届出し、急性期病院Bとしての届出を目指すケースが増えると考えられている。一時的なものなのかどうかは今後注視しておきたい。

なお、令和8年4月時点の届出情報では12病院が急性期一般入院料の届出を取り下げているが、都道府県別で確認すると、福島(-1)、東京(-1)、神奈川(-1)、新潟(-1)、大阪(-1)、奈良(-1)、岡山(-1)、広島(-1)、愛媛(-1)、大分(-1)、沖縄(-2)となっている。ICT導入による看護要員の配置基準の緩和策が6月から開始されることで、今後一時的な取り下げや区分の変更は少なくなると考えられる。

地域包括医療病棟入院料、令和6年6月の24病院のスタートから、2年間で244病院に

令和6年6月・令和7年4月・令和8年3月・令和8年4月時点の地域包括医療病棟入院料の届出状況に関する推移を確認してみる(図2)と、令和6年10月に届出数が100病院を超え、今日に至るまで増加基調にある。ただ、令和7年9月に200病院を超えてからは、増加ペースはおとなしくなっている。

図2 地域包括医療病棟入院料の推移 (HCナレッジ合同会社にて集計・作成)(クリックして拡大表示)

直近の動きを見てみると、令和8年3月までは富山県・山口県・愛媛県で地域包括医療病棟入院料の届出は0病院だったところ、4月になって富山県で新規の届出があったことが確認されている。また、兵庫県と長崎県で1病院ずつの取り下げがあったものの、全体で差し引きで6病院の増加となっている。

令和8年度診療報酬改定では、患者の受入れ状況と手術の有無、他の急性期機能を有する病棟の有無で評価も変わる。また、DPC対象病院では再転棟ルールの見直しと短期滞在手術等基本料3の算定が求められることになることから、DPCから退出し、地域包括医療病棟への転換を考える病院が増えると考えられる。

山口 聡 氏

HCナレッジ合同会社 代表社員

1997年3月に福岡大学法学部経営法学科を卒業後、出版社の勤務を経て、2008年7月より医業経営コンサルティング会社へ。 医業経営コンサルティング会社では医療政策情報の収集・分析業務の他、医療機関をはじめ、医療関連団体や医療周辺企業での医 療政策や病院経営に関する講演・研修を行う。 2021年10月、HCナレッジ合同会社を創業。https://www.hckn.work

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