【在宅スタッフ向け】退院前カンファレンスとは?進め方と確認事項、加算要件を紹介

2023.12.06

在宅医療に移行する際に実施される、退院前カンファレンス。
会議の進行役として、退院前カンファレンスのやり方に不安を感じていませんか?

退院前カンファレンスは事前準備が大切なため、一般的な流れを知っておきたい方も多いでしょう。
本記事では、訪問看護師やケアマネの方に向けて、退院前カンファレンスの概要や進め方・加算要件について解説します。

初めての方でも進行できる一般的な進め方も記載しているため、ぜひ最後までお読みください。

退院前カンファレンスとは?

退院前カンファレンスは、退院しても在宅支援を必要とする患者に向けて行われます。
病院スタッフと在宅支援スタッフが参加するため、参加人数が多い会議です。

人数が多いため、限られた時間の中で進行する必要があります。
初めて会議を企画する人は、目的や参加者を理解しておくと、スムーズに進められるでしょう。

ここでは、目的や参加者について解説していきます。

退院前カンファレンスの目的

退院前カンファレンスの目的は、患者が在宅で有意義に過ごすための情報共有です。
終末期の患者など、治療が必要でも自宅で過ごしたいケースは多くあります。

そのため、患者が在宅でも暮らす前に行われます。
内容としては、医療機関スタッフと在宅支援スタッフが集まり、退院後の生活や、在宅での課題について意見交換をするのが一般的です。

その他にも、関係者同士の顔合わせの目的もあります。
カンファレンスは、15~30分の短時間で行います。

進行する訪問看護師は、限られた時間で終えられるように、事前準備を大切にしましょう。

退院前カンファレンスの参加者

退院前カンファレンスには、医療機関側と在宅支援側の2つの参加者がいます。
カンファレンスを企画する訪問看護師は、各参加者に連絡の漏れがないように気をつけましょう。

病院側の参加者は、担当医、担当看護師、理学療法士、言語聴覚士、栄養士、医療ソーシャルワーカーなどです。
入院期間中に、患者に関わってきた関係者が呼ばれます。

招集する際には、医療ソーシャルワーカーを通して連絡すると、スムーズでしょう。
在宅支援側の参加者は、訪問医、訪問看護師、ケアマネージャー、薬剤師、訪問リハビリの理学療法士などです。

在宅支援側は、訪問看護師やケアマネージャーが中心になって、参加を呼びかけましょう。

退院前カンファレンスで確認すべき4つの内容

退院前カンファレンスでは、4つの内容を確認するようにしましょう。

  • 現在の健康状態と治療方針
  • 継続する医療処置の有無
  • 患者の希望
  • 家族の希望

カンファレンスでは、時間が限られているため、確認する内容を把握することが大切です。
カンファレンス前に把握しておくことで、充実した在宅支援につながります。

本章では、退院前カンファレンスで確認すべき4つの内容を解説します。

現在の健康状態と治療方針

1つ目は、現在の健康状態と治療方針です。
入院していた患者を在宅支援するには、医療側の今までの見立てがないと、介護ができません。

そのため、現在の健康状態と治療方針は必ず確認しましょう。
また、在宅支援スタッフは、カンファレンス前に、医師に聞きたいことを考えておくのが大切です。

情報提供シートにも記載はありますが、情報欄が限られているため、全部は書きれません。
予想される課題の解決方法や今後の見通しを確認すると、在宅支援スタッフも患者も安心できるしょう。

継続する医療処置の有無

2つ目は、継続する医療処置の有無です。
入院中の患者は、急性期や回復期など、状態に応じて医療処置が行われています。

在宅スタッフは、介護をするにあたって、医療処置をどのような形で継続するか確認しましょう。
たとえば胃がんの患者では、食事ができないためIVH(在宅中心静脈栄養)を行っているケースがあります。

このケースの場合、訪問看護師がその役割を担当するのが必要でしょう。
ほかにも終末医療であれば、ターミナルケア、全身の状態の管理などが必要です。

患者によって、必要な医療処置は変化します。
訪問看護師が支援で困らないように、医療処置の仕方を聞いていくようにしましょう。

患者の希望

3つ目は、患者の希望です。
在宅支援は、患者の希望によって実施します。

担当している患者が、どのような生活をしたいかを聞き出すのは大切です。
カンファレンスの場では、インフォームドコンセントを意識するようにしましょう。

患者は、在宅で暮らしていく上で大切にしたい内容があります。
例えば、「家族と過ごす時間を大切にしたい」「住み慣れた家で暮らしたい」などです。

在宅生活で大切にしたい内容を、患者の言葉で聞き取るようにしましょう。

家族の希望

4つ目は、家族の希望です。
家族は、別居でも同居でも患者の状態が心配です。

特に、同居している場合は、患者の介護を手伝ってもらう機会が多くあります。
介護に困らないように、家族の不安や希望を聞いておくようにしましょう。

退院前カンファレンスをしていると、患者の気持ちと家族の気持ちがすれ違うことがあります。
その際には、お互いの主張を聞いた上で、司会者がまとめていくようにしましょう。

お互いの折り合いをつけながら、聞くべき希望と聞けない希望を明確にすることが大切です。
お互いの希望をすり合わせることで、患者も家族も気持ちよく過ごせるようになるでしょう。

退院前カンファレンスの基本的な進め方

退院前カンファレンスを初めて行うときは、どのように進めてよいか不安になるかと思います。
一般的な流れを理解しておくと、初めての方でも、カンファレンスをスムーズに進行できます。

進行する際は、一般的な流れを踏まえた上で、企画するようにしましょう。
以下は長野県岡谷市で提案されている、退院前カンファレンスの流れです。

1.開催の趣旨説明1 分
(説明:司会者)
自己紹介1 分
入院中の経過と状況(ADL とケア)10 分□ 入院前と変化している部分を中心に伝える
□ 退院後の課題を明確にする 
① 病状の経過と治療内容 
② 移動・移乗 
③ 食事内容と食事介助方法
④ 排泄
⑤ 入浴・保清の方法と頻度 質疑応答(入院中の状況に関して質問)
⑥ 更衣・口腔ケアの介助
⑦ 認知機能・精神面
⑧ 薬剤管理・服薬支援 (□ 管理方法 □ 退院時処方の調整)
⑨ 医療処置や介護方法の習得状況 
(説明:担当医、看護師、リハビリ専門職)
退院後の目標と必要なサービス6 分□ 支援対象者・家族の意向も踏まえ説明 
□ サービス事業所からの意見・質問
(説明:ケアマネジャー、サービス事業所)
退院後の目標とサービスを踏まえた支援対象者・家族の意向の確認・質問3 分(発言:支援対象者・家族)
退院後の主治医・療養の方針2 分決まっていれば説明 
□ 今後の受診方法 
□ 次回外来予約 
□ 退院日時と退院方法 
(説明:担当医、看護師、MSW)
緊急時の体制の確認2分確認が必要な場合のみ
□ 緊急連絡先 
□ 体調に変化があったときの相談先 
(説明:ケアマネジャー)
質疑応答4 分□ 全体を通した質問・確認事項
まとめ1 分(説明:MSW)

参照:岡谷市版退院前カンファレンスのタイムテーブル

カンファレンスで大切にすべき事項は、患者の状態、継続する医療処置・家族・本人の希望などです。
患者が在宅生活をする上で、不安は多くあります。

特に在宅プランや在宅支援時の課題などを説明して、生活する上での不安を取り除けるように意識しましょう。

退院前カンファレンスの実施における注意点

退院前カンファレンスを実施するには、3つの注意点があります。

  • 事前準備を徹底する
  • 全員が理解できるよう専門用語を避ける
  • 患者・家族や病院スタッフとの関係構築を重視する

退院前カンファレンスは、15分~30分と短い時間で行います。
参加者も多いため、スムーズに進行するためには注意点を意識しましょう。

注意点を意識すれば、短時間で患者の不安を減らせるカンファレンスが可能です。
本章では、退院前カンファレンスを実施する際の注意点について解説します。

事前準備を徹底する

1つ目は、事前準備の徹底です。
カンファレンスは、参加者が多い上に限られた時間で目的を達成しないといけません。

企画する側は、招集するメンバーの調整や確認すべきポイントを把握しておくようにしましょう。
例えば、参加を呼びかけた際に、当日参加ができないスタッフもいます。

当日参加できないスタッフにも、カンファレンスで共有する情報を聞いておくと、有意義なカンファレンスになるでしょう。
ほかにも、カンファレンスで共有した情報をまとめる記録は必要です。

事前に記録する書式を準備しておくと、カンファレンス後の情報共有が素早くできます。

全員が理解できるよう専門用語を避ける

2つ目は、専門用語をなるべく簡単にすることです。
退院前のカンファレンスには、専門用語を知らない患者がいます。

医療関係者以外の参加者でも、分かりやすいような解説を心がけましょう。
例えば、以下の略称やカルテに記載されている症状も、患者には伝わらない可能性があります。

  • Rp …処方
  • PT …理学療法士
  • Ns …看護師
  • 血栓 …血管内で、血液成分が固まって、血管内を閉塞すること
  • VS・TPR(バイタルサイン)…生命の徴候。脈拍・心拍・呼吸・体温・血圧・意識などが含まれる。適切な治療や看護法を決定して実施する上で需要な基礎データとなる。 

参照:医療法人裕紫会中谷病院 在宅医療連携拠点事業部

略称は基本的には、文章で解説するのがポイントです。
専門用語を避けて、理解しやすいカンファレンスにするように意識しましょう。

患者・家族や病院スタッフとの関係構築を重視する

3つ目は、患者との信頼関係の構築です。
カンファレンスは、病院スタッフや訪問介護、ケアマネージャーたちが、患者と信頼関係を築く場でもあります。

患者に「この人たちなら安心だな」と思ってもらえると、在宅生活の不安が減ります。
カンファレンスの場では、口調を穏やかにすることや笑顔を大切にしましょう。

カンファレンスでは、時間が少ないために、早口になってしまうことはよく起こります。
話す内容はカンファレンス前に考えておくようにしましょう。

事前に話す内容が決まっていると、落ち着いて、雰囲気良くカンファレンスができるでしょう。

退院前カンファレンスにおける加算要件

退院前カンファレンスには、加算要件があります。
加算要件を満たしていれば、申請することで報酬がもらえます。

施設の収益を増やしていくためには、確認しておく必要があるでしょう。
例えば、在宅支援スタッフとして、代表的な加算要件は以下の要件があります。

【退院退所加算】   
退院・退所時において、ケアマネージャーが病院スタッフと面談し必要な 情報を得たうえで、ケアプランを作成した場合
 <カンファレンス※参加無> 連携1回 450単位 連携2回 600単位 
<カンファレンス※参加有(1回以上)> 連携1回 600単位 連携2回 750単位 連携3回 900単位
【入院時情報連携加算】Ⅰ 医療機関の職員に対して利用者に係る必要な情報を利用者が入院してから3日以内に情報提供した場合 200単位(提供方法は不問) 
Ⅱ 医療機関の職員に対して利用者に係る必要な情報を利用者が入院してから7日以内に情報提供した場合 100単位(提供方法は不問)

引用:神戸市

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加算要件を請求するのが大変な方は、ICTの利用も考えてみてください。

伊谷 俊宜氏
伊谷 俊宜氏

日本人の約7割が自宅で最期を迎えたいと望んでいるにも関わらず、実際には、約7割が病院で最期を迎えています。こうした現状を踏まえて、国は病院から在宅(施設含む)での看取りを増やす方向で政策を進めています。入退院時の加算が拡充されているのはその一環です。退院前カンファレンスにケアマネが参加する機会はこれから更に増えていくでしょう。ケアマネ目線でお話すると、退院前カンファレンスはサービス担当者会議の場とすることができます。普段はなかなか呼びにくい医療関係者を交えてサービス担当者会議として開催できる貴重な場なのです。事前に関係者を招集することは当然ですが、カンファレンスの内容を抜け漏れなく記録するためにも音声入力やICT機器を活用し、その内容を病院側の方々にもしっかりフィードバックしていきましょう。

医療・介護間の連携を強化する「MeLL+(メルタス)」

「MeLL+(メルタス)」は、ワイズマンによって発売されている医療・介護連携ソフトです。
訪問介護の仕事で「MeLL+(メルタス)」を使うメリットは3つあります。

  • 関係機関との情報共有にタイムラグがない
  • 申し送りがしやすく・スタッフ間の連携がしやすい
  • 服薬支援システムとの連携も可能

退院前カンファレンスは、多職種が連携する業務です。
患者の情報共有や支援共有を紙媒体で行うと、時間も消費してしまい、困ることも多いでしょう。

「MeLL+(メルタス)」を使うことで紙媒体でのデメリットを解決し、多職種連携を強化できます。
本章では、3つのメリットについて解説をしていきます。

関係機関との情報共有にタイムラグがない

1つ目は、情報共有のタイムラグがなくなることです。
訪問介護を進めていくには、患者の状態を共有しなければいけません。

電話で指示を仰ぐと、医師も訪問看護師も忙しいため、電話に出れないことも多いのではないでしょうか。
「MeLL+(メルタス)」であれば、記録をするとタブレットやPCですぐに閲覧できます。

タイムラグがなくなったことにより、在宅スタッフと医療機関の連携がスムーズです。
わずらわしい電話やFAXのやりとりもなくなり、業務を削減できます。

申し送りがしやすく・スタッフ間の連携がしやすい

2つ目は、申し送り・共有がしやすくなることです。
紙媒体では、記録のし忘れ・記入のし忘れがあり、スムーズに申し送りができないことがあります。

丁寧な支援を目指して行くためであれば、申し送りミスは避けたいミスです。
「MeLL+(メルタス)」では、前回訪問した際の記録を参照できます。

担当スタッフが変わる場合でも、以前の患者の状態を把握できるため、症状の把握や支援がしやすくなるでしょう。

服薬支援システムとの連携も可能

3つ目は、他の支援システムと連携できることです。
在宅スタッフにとって、支援する際には、服薬など気にするべきポイントが多くあります。

「MeLL+(メルタス)」は患者の記録にとどまらず、服薬支援システムとの連携もできるため、スタッフの負担削減につながるでしょう。
例えば、服薬支援システムと連携すると、調剤師との連携もスムーズになり、服薬の調整もミスなくできます。

QRコードで薬の量や情報も理解できるため、誤薬トラブルも防止できます。
「MeLL+(メルタス)」により、訪問スタッフだけでなく、調剤師、看護師、ケアマネージャー、医師など多職種連携がより進めやすくなるでしょう。

まとめ

退院前カンファレンスは、事前準備が大切です。
事前準備ができていれば、初めての司会・進行でもスムーズにできます。

参加者の連絡も、医療ソーシャルワーカーを活用して、準備を進めていきましょう。
多職種連携を進めるには「MeLL+(メルタス)」などのICT活用もおすすめです。

事務作業の効率をあげたい方や事務負担を減らしたい方は、資料請求だけでもしてみてはいかがでしょうか。

監修:伊谷 俊宜

介護経営コンサルタント

千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。

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