【医療業界動向コラム】第185回 心不全再入院予防継続管理料のポイントを確認する
2026.04.24
令和8年度診療報酬改定は、医療機関の機能の明確化を促す内容となっている。機能を絞り込んでいくことで、効率性を高めると共に、病床数の適正化を図るのが狙いだといえる。そこで重要になってくるのが、機能を相互補完する地域医療連携だといえる。とりわけDPC対象病院にとっては、再転棟ルールが見直され、原則として期間を問わず同一傷病による再入院は一連の入院となることとなるため、退院後のフォローアップを見据えた連携体制を主導していくことが求められる。そこで新設されたのが、心不全再入院予防継続管理料だ。
主な施設基準と算定要件を確認。管理料3においても栄養食事指導体制の整備が必要
心不全再入院予防継続管理料は、入院治療を行う医療機関を基点として、外来リハビリテーション、経過観察の一連の連携と対応を評価するもの(図1)。
管理料1(1,000点)及び2(6回目まで:700点/月、それ以外:225点/月)については、心大血管疾患リハビリテーションを行えること、心不全再入院予防チームを設置することが求められる。なお、心不全再入院予防チームは、心不全指導に関する一定の経験年数のある常勤医師、日本循環器学会「心不全療養指導士」や日本看護協会の認定看護師教育課程「慢性心不全看護」「心不全看護」などの研修を修了していることが望ましい看護師又は管理栄養士などで構成される必要がある。
管理料3(6回目まで:400点/月、それ以外:225点/月)は、経過観察に当たる対応が求められる病院及び診療所だ。管理料3においても心不全再入院予防チームの設置が求められるが、看護師等については所定の研修等の望ましいとされる要件はないが、管理料1又は2を届け出る医療機関が主催する研修への参加が必要になる。なお、管理料3は1年が限度となっており、7か月目からは点数が診療所における特定疾患療養管理料と同等になるが、100床未満の病院での特定疾患療養管理料は147点、100床以上200床未満の病院の場合は87点となっている。ただし、特定疾患療養管理料の場合は月に2回まで算定が可能となる。

なお、令和8年4月1日に発出された疑義解釈(その2)では、管理料1及び2を届出ている医療機関は管理料3の届出ができないこと、心不全再入院予防チームに求められる研修の考え方などが以下のように明らかにされている。
心不全管理に関する専門的な知識・技術を有する 医師、看護師又は保健師及び管理栄養士等を養成することを目的とした7 時間以上の研修で、以下の要件をすべて満たすものであること。
(1) 慢性心不全に関する一定の知識と経験を有する医師、看護師又は保健師及び管理栄養士等を対象としていること。
(2) 心不全の病態、薬物治療及び非薬物治療、療養指導、食事指導、運動指導並びに地域連携に関する内容が含まれていること。
(3) 慢性心不全の管理に関する実習を含むこと。
(4) 医療関係団体が主催し、研修の修了証が発行されていること。
管理料3を届け出る医療機関では、栄養食事指導が行える体制が必須となる。管理栄養士を配置していない診療所などでは、管理栄養士を配置している医療機関や栄養ケア・ステーションとの連携を通じて、オンラインもしくは電話を通じた栄養食事指導を行える体制を整備することが求められる。連携する管理料1・2を届け出る医療機関と体制を整備することで、退院後も一貫性のある栄養管理ができることになるだろう。
地域全体で疾病管理するという観点とかかりつけ医機能の発揮を
心不全再入院予防継続管理料は、二次性骨折予防継続管理料と同様に医療機関単独ではなく、地域にある医療資源を共有して疾病管理を行うというものといえる。心不全、骨粗鬆症は本年から報告がはじまっているかかりつけ医機能報告において、一次診療対応可能な診療領域にもあげられている。今後もこうした地域で行う疾病管理を評価する項目は増えていくことが考えられると同時に、かかりつけ医機能報告への積極的な参画と対応可能な領域の拡充が求められてくること、さらに、第183回でもお伝えしたように、包括期・慢性期の医療機関においてもかかりつけ機能を発揮するべく、積極的に連携に参画し、レスパイト入院などの対応ができるようにしておきたい。
山口 聡 氏
HCナレッジ合同会社 代表社員
1997年3月に福岡大学法学部経営法学科を卒業後、出版社の勤務を経て、2008年7月より医業経営コンサルティング会社へ。 医業経営コンサルティング会社では医療政策情報の収集・分析業務の他、医療機関をはじめ、医療関連団体や医療周辺企業での医 療政策や病院経営に関する講演・研修を行う。 2021年10月、HCナレッジ合同会社を創業。https://www.hckn.work

