フレイル対策の必要性と
ポイント

2019年11月20日

Q3 フレイル対策において医療機関や介護事業所に求められる役割とは?

一般的に高齢者の多くは、足腰が痛いなどの身体的な制限が加わると、負のスパイラル【外出を控える→おなかが減らないから食べる量が減る→低栄養状態になる→体力が落ちて虚弱になる(フレイル)→筋力が衰えて(サルコペニア)家に閉じこもる→一人で活動できない、社会参加できない→寝たきり】に陥りがちです。

あるいは、猛暑や寒冬などの外的要因の出不精であってもこのスパイラルを引き起こすリスクがあり、フレイル・ドミノにつながります(下図)。

こうしたフレイル・ドミノのリスクを回避するフレイル予防の鍵を握るのが、“栄養・運動・社会参加”の三位一体の関わりです。

まず、“栄養”については「オーラルフレイル(口腔機能の衰え)」に関連し、とても重要な位置づけになります。なぜなら、口は食べ物からの栄養摂取だけでなく、口腔周りの筋肉を常時使い、咀嚼や嚥下機能の維持に関与するほか、会話を行うコミュニケーションという大切な役割を担っているからです。食事自体が高齢者の楽しみや生きがいに直結し、さらに食事の準備や買い物は日常生活の活動として、サルコペニア予防に関与している点も押さえておきたいポイントになります。

オーラルフレイルに該当する高齢者は、「疲れやすい」「歩く速さが遅くなる」「つかむ力が弱くなる」といった日常生活(行動)に支障をきたす兆候がでてきます。後期高齢者に近づくにつれて活動範囲が狭まり、食欲低下に伴って栄養摂取量も徐々に減少し、それが体重減少の形で顕在化し、低栄養状態を経て最終的に死亡や入所・入院につながることから、低栄養サイクルを回避するには高齢者に身近な医療・介護関係者による「栄養マネジメント」がとても重要になります。

そして、“運動・社会参加”においては、喜びや楽しみ、生きがいを起点とした活動につながる「キョウイク(きょう行く所がある)」が不可欠です。地域支援事業における「通いの場」の拡充、そして「通いの場」への高齢者の参加が推進されているのがその理由です。「通いの場」を拠点に、運動・口腔・栄養等のフレイル対策を含む疾病予防・重症化予防に係る「保健事業」と「介護予防」の一体的な実施による効果的な健康づくりにつながることで、健康寿命のさらなる延伸が期待されています。

高齢者との接点が多い医療機関や介護事業所においては、「通いの場」の立ち上げや運営支援、拠点の拡大などを担当する市町村と連携し、該当者のフレイル対策に関する情報共有などを行いながら、積極的に関与していくことが大切です。

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