フレイル対策の必要性と
ポイント

2019年11月13日

Q2 栄養に着目したカロリー摂取のギアチェンジにおけるポイントとは?

平成20(2008)年度からメタボリックシンドロームに着目した特定健診・保健指導は健保組合や協会けんぽ、国民健康保険において40歳から74歳までの加入者を対象に実施され、「生活習慣病対策」として確実に広く定着してきました。

これに対し、75歳以上の後期高齢者が加入する後期高齢者医療制度では「保健事業」が推進されつつ、介護保険制度においては「介護予防」が組み込まれ、各々において「フレイル対策」が実施されています。後期高齢者医療広域連合における「保健事業」の実施は法的拘束力がない努力義務であるため、実際に行っている保険者は限定的となっています。「介護予防」の取り組みは徐々に進んでいるものの、引きこもりや無関心な高齢者も多く、非常に低い参加率が課題となっています。これらの課題の解決に向けて「保健事業」と「介護予防」の各々の取り組みを一体的に実施していくことが令和2(2020)年4月から予定され、「フレイル対策」が大きな転換期を迎えようとしています。

そして、「生活習慣病予防」と「フレイル対策」の関係では、栄養に着目したカロリー摂取が70歳前後にギアチェンジとなる点に注意しなければなりません(下図)。ギアチェンジの時期は、単なる体重の増減管理にとどまらず、「生活習慣病予防」から「フレイル対策」へと切り替えが必要となるカロリー摂取のターニングポイントになります。「フレイル対策」は栄養のみならず、運動や服薬にも関わる個別対応が不可避な課題であり、高齢者だけでなく、私たち自身の高齢期のQOL向上に関わる見逃せないポイントだといえるでしょう。

「フレイル対策」による栄養マネジメントは、低栄養や運動不足による筋肉の衰え(サルコペニア)にも深く関与します。サルコペニアの兆候は「手すりがないと階段が上れない」「歩くのが遅くなった」「重い物が持てない」といったものがあります。サルコペニアの重要な因子である筋肉量の減少は、筋繊維の減少と個々の筋繊維の萎縮という2つの要因が重複して起こるため、筋肉を維持・向上させる動機づけが不可欠です。就労やボランティア活動をはじめ、趣味や習い事などのグループ活動、友人や近所付き合いなどの交流、地域社会に関わる活動をすることがサルコペニア予防に非常に効果的であり、「フレイル対策」と「生活習慣病予防」の共通した対策ポイントになります。

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