2022.11.23
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【小濱道博の介護戦略塾】<第4回>介護事業経営の大規模化と介護保険外サービス

1,保険外サービスを提供する人材確保策

現在、審議されている令和6年介護保険法改正において、介護助手制度が重要キーワードに浮上しています。これは、介護職が担当する食事の配膳や清掃業務などを、地域の元気な高齢者を介護助手として雇用することで、介護職の負担を減らしていくことが目的です。同様の発想で、保険外サービスの人材確保を考えて見ましょう。介護保険サービスは慢性的な人材不足が長年に渡って叫ばれています。高齢化率が先行して上昇している過疎地域においては、高齢者しか居ないために職員の確保は無理と言う声も聞こえてきます。しかし、元気な高齢者もより多く住まわれています。元気な高齢者を保険外サービスに担い手として力を借りるという発想は重要です。高齢者の方々で、知識や経験に優れた方々も多数います。潜在的に地域の中で、もう一度、存分に力を発揮したいと考えている方も多いのです。元気な高齢者の方々に活躍の場を提供することは双方にとってメリットは大きいと言えます。介護保険の狭い枠に中で、保険外サービスを見てはいけません。

2,保険外サービスに来た方が、将来の介護職員という発想

保険外サービスは、人員基準や制度上の資格は必要ありません。雇用形態も自由です。保険外サービスでフィットネスサービスを利用している、ダイエット目的の専業主婦に声かけした所、働く了解を得た等の事例も多く聞きます。保険外サービスの利用者が将来の職員という発想も有り得るのです。働くきっかけは、色々な所にあります。問題は、如何に仕掛け作りをするかです。保険外サービスは、介護保険サービスの新規利用者の獲得に結びつくと同時に、職員の獲得の窓口にもなり得ます。同様に、ボランティアで来てくれた学生や地域住民の方々も、潜在的な未来の職員であり、介護への想いを共有する未来の同士です。勇気をもって声かけをしてみるべきです。さらに外国人の雇用も考えるべきです。コンビニや飲食業では、当たり前になっている外国人の活用も重要です。そして、保険外サービスで適性を見極めて、介護サービスの職員に引き上げていくことも可能です。

3,重要なのは業務の標準化

職員を確保出来たら、次は職員教育を実施します。保険外サービスの業務マニュアルを作成して、可能な限り、業務を標準化します。マニュアルを読めば分かる状態にすることが大切です。あとは、最終的なチェックポイントとして、数回、同行してのサービス提供を行った上で適正と独り立ちの可否を見極めます。に業務を標準化することでチェックポイントが明確となって業務管理が容易になります。また、給与や職責などを決めるときの人事評価の基準にもなります。

4,保険外サービスはアイデア次第です

今、孤独な高齢者が増えています。家族と同居していても、自分の居場所が無かったり、家族が仕事に出ている時間帯の孤独感が強い高齢者が多くなっています。また、セカンドライフを謳歌する夢を持って猪突猛進的に仕事一筋であった高齢者が、退職後に夢を実現出来ないままであるのは、その実現の方法が分からないからです。そのような高齢者の居場所や、夢を実現するための保険外サービスは、大きな可能性があります。高齢者の本当のニーズが何処にあるか、まだまだ未知の領域です。そのキーワードを見つけることが大切です。サービスの対象者は、高齢者だけではありません。その介護者、すなわち家族の側に視点を置いたサービスも充分に可能性は高いのです。その対象は、近くにいる家族だけではなく、遠方に居る家族や、過去に居た家族なども該当します。既存の考えに囚われず、一般の常識を越えて広い視野を持つことが大切です。しかし、いかに素晴らしいサービスであっても、価格が高すぎると一部の利用者しか手が出せません。会社努力で可能な限りコストダウンを図ることが必要です。すべてはアイデア次第です。

令和6年介護保険法改正審議で重要なキーワードである介護事業経営の大規模化。その一つの回答が介護保険外サービスであることは間違いありません。同時に、新たな人材確保ルートともなりえる、大きな可能性を秘めているのです。

小濱 道博氏

小濱介護経営事務所 代表 株式会社ベストワン 取締役 一般社団法人医療介護経営研究会(C-SR) 専務理事 C-MAS 介護事業経営研究会 最高顧問

日本全国でBCP、LIFE、実地指導対策などの介護経営コンサルティングを手がける。
介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。
全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター、一般企業等の主催講演会での講師実績は多数。
介護経営の支援実績は全国に多数。

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