【医療業界動向コラム】第176回 令和8年度診療報酬改定における入院料や人工腎臓に関する新たな評価の見直しについて確認する

2026.02.24

令和8年度診療報酬改定の個別改定項目より、今回は、入院料・遠隔連携診療料・医薬品安定供給の新加算・人工腎臓について確認する。

新旧入院料、新設された物価対応料を確認する。

基本診療料の引上げをみると、急性期一般入院料では119~186点の引上げとなっている。また、重症度、医療・看護必要度について項目の見直しが行われていることもあり、該当患者割合がやや引き上げられている(図1、図2)。

図1 急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院料、地域一般入院料の点数クリックして拡大表示)
図2 包括期/回復期、慢性期病棟の入院料クリックして拡大表示)

療養病棟入院基本料に着目してみると、以下の2点の見直しが行われる。

・療養病棟入院基本料2について、医療区分2・3の患者の割合を5割から6割に引き上げ

・処置に関する医療区分2のうち、感染症の治療に係る処置が、他の一部の処置と併せて行われている場合には、処置等に係る医療区分3の患者として入院料を算定する。
また、悪性腫瘍以外の病態について、医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合を、疾患・状態に係る医療区分3に追加。超重症児(者)・準超重症児(者)に該当する小児について、それぞれ疾患・状態に係る医療区分3、2に追加(図3)

図3 療養病棟入院基本料の見直しクリックして拡大表示)

あわせて、前回ご紹介した身体的拘束最小化への取組としての身体的拘束最小化推進体制加算の算定が可能となり、やむなく実施された身体的拘束の減算の緩和となる。

遠隔連携診療料は、場所を選ばず実施・評価が可能に

今回の診療報酬改定では、病院そのものの機能を特化していく方向性が鮮明になっている。そうなると、診療科も限定的になっていくこととなり、専門外の領域に関する地域の医療機関との連携が重要になってくる。遠隔連携診療料の見直しは、そうした特化していく病院での対応力をサポートする内容となった(図4)。ポイントとしては、医療情報ネット (ナビイ)などを利用して、地域内の医療環境を理解し、情報通信機器を用いた診療が可能な医療機関と連携を促進していくことだろう。

図4 遠隔連携診療料についてクリックして拡大表示)

後発医薬品の使用促進から、安定供給へ

すでに後発医薬品の調剤割合が90%近くに達していることもあり、使用促進という目的から、安定供給に対する支援へと方向性が変わった。合わせて、一般名処方の対象にバイオ後続品を追加し、薬局でのバイオ後続品調剤体制加算を新設するなど、金額ベースでの後発医薬品の使用促進の目標達成に向けた取組を評価することとなった。ここで改めて確認しておきたいのが、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の内容を踏まえた対応を整備することだ。個々の医薬品の価値及び流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと。また、原則として全ての品目について単品単価交渉とすることも盛り込まれている(図5、図6)。

図5 後発医薬品、医薬品安定供給に関する見直し(リックして拡大表示
図6 地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準(リックして拡大表示

人工腎臓、一律20点の引き下げ。腎代替療法診療充実体制加算(20点)を新設

人工腎臓に対する評価は、20点の引き下げとなった。ただその一方で、腎代替療法充実体制加算が新設されている。その中身はBCPの策定、緩和ケアへの対応が求められる(図7)。人工透析患者は2020年あたりをピークに減少トレンドに入っている。その一方で、技術の進歩もあり、高齢の人工透析患者の終末期医療が新たなテーマとなっていることへの対応が急務となっている。

図7 人工腎臓の評価の見直し(クリックして拡大表示

 

山口 聡 氏

HCナレッジ合同会社 代表社員

1997年3月に福岡大学法学部経営法学科を卒業後、出版社の勤務を経て、2008年7月より医業経営コンサルティング会社へ。 医業経営コンサルティング会社では医療政策情報の収集・分析業務の他、医療機関をはじめ、医療関連団体や医療周辺企業での医 療政策や病院経営に関する講演・研修を行う。 2021年10月、HCナレッジ合同会社を創業。https://www.hckn.work

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