【2025年最新】訪問看護サービスコード一覧|返戻を防ぐ算定要件と単位数を徹底解説

2025.07.18

訪問看護のレセプト請求業務、特に月末から月初にかけての期間は多大なる労力がかかります。また、報酬改定に伴う新しいサービスコードや算定要件を追いかけるだけでも一苦労です。

「入力したコードは本当に合っているだろうか」
「もし請求ミスで返戻になったら、再請求の手間がかかる」

このような不安やストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2024年6月施行の情報に基づいた訪問看護サービスコードの一部を分かりやすく一覧にまとめました。

さらに、請求ミスによる返戻を防ぐための算定要件や、実務で役立つチェックポイントも詳しく解説します。

自信を持って正確なレセプト請求を行い、日々の業務負担を大きく軽減するために、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも訪問看護のサービスコードとは

訪問看護のサービスコードとは、一言でいえば「提供したサービス内容を証明するための整理番号」のようなものです。

利用者にどのようなサービスを、どのくらいの時間提供したのかを、数字のコードで表します。
サービスコードは、介護報酬や医療保険の診療報酬を国保連合会や支払基金に請求する「レセプト業務」において、欠かせない数字です。

なぜなら、このコードに基づいて提供したサービスの単位数(料金)が計算され、事業所の収益に直接つながるためです。

介護保険と医療保険での使い分け

訪問看護では、利用者の状態によって「介護保険」と「医療保険」のどちらを利用するかが変わります。
それに伴い、使用するサービスコードも異なるため、この使い分けは請求業務の第一歩として重要です。

原則として、介護保険の認定を受けている場合は、介護保険が優先されます。

ケース具体例や条件
介護保険が優先される場合・65歳以上で要介護・要支援認定を受けている方
・40歳以上65歳未満で、16の特定疾病により要介護・要支援認定を受けている方
医療保険が優先される場合・要介護・要支援認定を受けていない方
・厚生労働大臣が定める疾病等の方(末期の悪性腫瘍、難病など)
・主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合(交付日から最大14日間)
・精神科訪問看護が必要な方

どちらの保険が適用されるか不明な場合は、ケアマネジャーや主治医に確認しましょう。

サービスコードの桁数の意味

介護保険の訪問看護サービスコードは、基本的に6桁の数字で構成されています。一見するとただの数字の羅列に見えますが、実は各桁に意味があります。

  • 最初の2桁:サービス種別コード
    • 介護サービスの種類を示します。訪問看護の場合は「13」です。
  • 続く4桁:項目コード
    • サービスの詳細な内容(時間、加算項目など)を示します。
      例えば、「131010」というコードは、「13(訪問看護)」の「1010(訪看Ⅰ1・20分未満)」という構成です。
      この構造を理解しておくと、コードを見ただけでおおよそのサービス内容を把握でき、ミスを減らせます。

訪問看護サービスコード一覧表(介護保険)

ここでは、読者の皆様がもっとも知りたいであろう、介護保険における訪問看護の主要なサービスコードを一覧でご紹介します。

特に記載がない限り、2024年(令和6年)6月施行の最新の単位数に基づいています。日々の業務で迷った際に、ぜひこのセクションをご活用ください。

基本サービス費(訪看Ⅰ・Ⅱなど)

訪問看護の基本となるサービス費は、事業所の種類と、サービス提供時間によって決まります。

  • 訪看Ⅰ:指定訪問看護ステーションからの訪問
  • 訪看Ⅱ:病院または診療所からの訪問
サービスコードサービス内容略称算定項目合成単位数
13-1010訪看Ⅰ1基本訪問看護Ⅰ-1314
13-1015訪看Ⅰ1・夜基本訪問看護Ⅰ-1 夜間393
13-1016訪看Ⅰ1・深基本訪問看護Ⅰ-1 深夜471
13-1017訪看Ⅰ1・複11基本訪問看護Ⅰ-1 複数11568
13-1018訪看Ⅰ1・夜・複11基本訪問看護Ⅰ-1 夜間・複数11647
13-1019訪看Ⅰ1・深・複11基本訪問看護Ⅰ-1 深夜・複数11725
13-1040訪看Ⅰ1・複21基本訪問看護Ⅰ-1 複数21515
13-1041訪看Ⅰ1・夜・複21基本訪問看護Ⅰ-1 夜間・複数21594
13-1042訪看Ⅰ1・深・複21基本訪問看護Ⅰ-1 深夜・複数21672
サービスコードサービス内容略称算定項目合成単位数
13-1051訪看Ⅰ1・虐防基本訪問看護Ⅰ-1 虐待防止311
13-1052訪看Ⅰ1・虐防・夜基本訪問看護Ⅰ-1 虐待防止 夜間389
13-1053訪看Ⅰ1・虐防・深基本訪問看護Ⅰ-1 虐待防止 深夜467
13-1054訪看Ⅰ1・虐防・複11基本訪問看護Ⅰ-1 虐防 複数11565
13-1055訪看Ⅰ1・虐防・夜・複11基本訪問看護Ⅰ-1 虐防 夜間・複数11643
13-1056訪看Ⅰ1・虐防・深・複11基本訪問看護Ⅰ-1 虐防 深夜・複数11721
13-1057訪看Ⅰ1・虐防・複21基本訪問看護Ⅰ-1 虐防 複数21512
13-1058訪看Ⅰ1・虐防・夜・複21基本訪問看護Ⅰ-1 虐防 夜間・複数21590
13-1059訪看Ⅰ1・虐防・深・複21基本訪問看護Ⅰ-1 虐防 深夜・複数21668

なお、上記は一例ですので、すべてのコードは下記の資料で確認してください。

引用元:訪問看護サービスコード表|全国保険医団体連合会

※訪看Ⅱ(病院・診療所からの訪問)も同様の時間区分でコードが設定されています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のコード

定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して訪問看護を行う場合は、特別なコード体系が適用されます。
一体的にサービスを提供するか、一部を連携して提供するかによって単位数が異なります。

サービス内容単位数算定要件など
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して訪問看護を提供2,945単位/月准看護師による訪問が1回でもある場合は、98/100を乗じた単位数となる

訪問看護のサービスコードで使用される略語

レセプトソフトや明細書では、サービス内容が分かりやすいように略語で表示されることがよくあります。
訪問看護のサービスコードで頻繁に使用される略語は、下記のとおりです。

略語意味
訪看Ⅰ3訪問看護Ⅰ(ステーションから)、30分以上1時間未満
夜間・早朝加算(所定単位数の25%加算)
深夜加算(所定単位数の50%加算)
複21複数名訪問加算Ⅱ(看護師等とその他従業者)、30分未満
特管Ⅰ特別管理加算Ⅰ(月1回)
緊訪看Ⅰ緊急時訪問看護加算Ⅰ(月1回)
ターミナルターミナルケア加算(死亡月)

加算・減算コードの算定要件と単位数

訪問看護の報酬は、基本サービス費だけではありません。利用者の状態や提供したケアの内容に応じて算定できる「加算」は、事業所の安定経営にとって非常に重要です。

算定できるはずの加算を見逃すと、事業所にとって大きな損失となるので注意が必要です。逆に、算定要件を満たしていないのに請求すると「減算」や「返戻」の原因となるため、正しい知識を身につけましょう。

時間帯に関する加算(夜間・早朝・深夜)

通常のサービス提供時間外に訪問を行った場合、基本サービス費に加えて加算を算定できます。
利用者の急な体調変化に対応した場合など、算定漏れがないように注意しましょう。

加算の種類対象となる時間帯加算率
夜間・早朝加算午後6時~午後10時、午前6時~午前8時所定単位数の25%
深夜加算午後10時~翌午前6時所定単位数の50%

【算定要件のポイント】

利用者またはその家族の同意を得て、訪問看護計画に盛り込んでいること。

複数名訪問加算(Ⅰ・Ⅱ)

利用者の身体的な状況や、暴力行為などのリスクから、看護師等1名での訪問が困難な場合に算定できる加算です。
「複21」などの略語で示されることもあります。

加算の種類算定要件単位数(30分未満)単位数(30分以上)
複数名訪問加算(看護師等が2名で訪問)利用者の状態等から2名の看護師等による訪問が必要と判断される場合255単位/回403単位/回
複数名訪問加算(看護師等1名とその他の従業者1名で訪問)上記に加え、看護補助者等との訪問で効率的なサービス提供が可能と判断される場合201単位/回317単位/回

【算定要件のポイント】

なぜ複数名での訪問が必要だったのか、その理由を訪問看護記録書に明確に記載する必要があります。

専門性の高い加算

特別な管理を必要とする利用者や、人生の最終段階にいる利用者への専門的なケアを評価する加算です。
単位数が大きいものが多く、算定漏れは経営に大きく影響します。

加算の種類単位数主な算定要件
特別管理加算Ⅰ500単位/月・在宅悪性腫瘍等指導管理を受けている状態」
・気管カニューレを使用している状態
・真皮を越える褥瘡がある状態など
特別管理加算Ⅱ250単位/月・在宅自己腹膜灌流指導管理を受けている状態
・留置カテーテルを使用している状態など
ターミナルケア加算2,500単位/死亡月死亡日および死亡日前14日以内に、合計2日以上ターミナルケアを実施した場合に算定
初回加算300単位/月新規に訪問看護計画を作成した利用者に対して、初回の訪問看護を行った月に算定
退院時共同指導加算600単位/回入院中の医療機関と連携し、利用者の退院時に在宅での療養について共同で指導を行った場合に算定

注意すべき減算項目

意図せず要件を満たしてしまい、報酬が減額される「減算」にも注意が必要です。知らなかったでは済まされないため、特に注意すべき項目を把握しておきましょう。

  • 同一建物減算:
    • 事業所と同一の建物、または隣接する敷地内の建物に居住する利用者へサービスを提供する場合に適用されます。
    • 同一建物内の利用者数に応じて、10%または15%の減算となります。
  • 高齢者虐待防止措置未実施減算:
    • 虐待の発生や再発を防止するための措置(委員会の開催、指針の整備、研修の実施など)が講じられていない場合に、所定単位数の1%が減算されます。
  • 業務継続計画(BCP)未策定減算:
    • 感染症や災害が発生した場合でもサービスを継続するための計画(BCP)が未策定の場合に適用されます。
    • 2025年4月1日から完全に義務化され、未対応の場合は所定単位数の1%が減算となります。

返戻・査定を防ぐためのチェックポイント3選

レセプトの返戻や査定は、再請求の手間が増えるだけでなく、事業所の資金繰りにも影響を与えかねない大きな問題です。
日々の業務の中で返戻リスクを最小限に抑えるための、下記のポイントをチェックしておきましょう。

  1. 算定要件と利用者情報・計画書を照合する
  2. 最新の公式情報を定期的に確認する
  3. 請求ソフトやツールを活用しヒューマンエラーを防ぐ

上記の3つを習慣化するだけで、請求業務の精度は格段に向上します。

ポイント1:算定要件と利用者情報・計画書を照合する

もっとも基本的かつ重要なのが、請求内容と事実との整合性を確認することです。特に、加算項目を算定する際は、その根拠が書類として残っているかが重要です。

  • 訪問看護計画書・報告書との整合性:
    請求するサービス内容や加算が、主治医の指示やケアプラン、自ら作成した訪問看護計画書の内容と一致していますか?
  • 記録の確認:
    例えば、複数名訪問加算を算定する場合、なぜ複数名での訪問が必要だったのか、その理由が訪問看護記録書に具体的に記載されていますか?
  • 利用者情報の確認:
    公費負担や保険者番号など、利用者の基本情報に間違いはありませんか?
    レセプト作成の最終段階で、これらの点を指差し確認するだけでも、多くのミスを防げます。

ポイント2:最新の公式情報を定期的に確認する

介護保険制度や報酬体系は、社会情勢に合わせて頻繁に改定されます。
「去年まではこの要件で大丈夫だった」という知識が、今年は通用しないかもしれません。
不正確な情報に基づいて請求を行うことは、返戻の原因の一つです。

信頼できる一次情報源を定期的に確認する習慣をつけましょう。

  • 厚生労働省
    介護報酬改定に関するすべての公式情報が掲載されます。
  • WAM NET(ワムネット):
    独立行政法人福祉医療機構が運営しており、介護事業者向けの最新情報やQ&Aなどが集約されています。
    月に一度はこれらのサイトをチェックし、重要な通知やQ&Aが出ていないかを確認しましょう。

ポイント3:請求ソフトやツールを活用しヒューマンエラーを防ぐ

どれだけ注意深く確認しても、人間が作業する以上、入力ミスや解釈の間違いといったヒューマンエラーを完全になくすことは困難です。
そこで有効なのが、介護請求ソフトやツールの活用です。優れた請求ソフトには、以下のような機能が搭載されています。

  • コード自動入力・提案機能:
    サービス内容を選択するだけで、適切なコードを自動で入力または候補を提示してくれます。
  • エラーチェック機能:
    算定要件を満たさない組み合わせや、必須項目の入力漏れなどを自動で検知し、アラートで知らせてくれます。
    手作業による負担とミスを同時に減らすために、ツールの導入は非常に有効な手段です。

複雑な請求業務を効率化したいならワイズマンにおまかせ!

先ほど、返戻を防ぐポイントとしてツールの活用を挙げましたが、「どのソフトを選べばいいか分からない」という方もいるのではないでしょうか。

あなたが、法改正への対応や日々の請求業務に少しでも負担を感じているなら、ワイズマンにおまかせください。
ワイズマンは長年にわたり、医療・介護・福祉分野に特化したソフトウェア開発を行ってきました。多くの事業所様にご利用いただいております。

ワイズマンの看護システムをおすすめする理由は、下記のとおりです。

  • 法改正に自動アップデートで対応できる
  • エラーチェック機能で算定ミスを防止できる

法改正に自動アップデートで対応できる

ワイズマンのシステムなら、制度改正に合わせてシステムが自動でアップデートされるため、利用者が手動で設定を変更する必要はありません。

法改正に自動アップデートで対応できるため、下記のようなメリットを得られます。

  • 情報収集や設定変更にかかる手間と時間を大幅に削減
  • 最新のコードや単位数に自動で対応し、設定ミスによる請求エラーを防止

2000年の介護保険制度開始時、他社に先駆けて伝送請求に対応できた実績と技術力が、迅速かつ正確な法改正対応を実現しています。

エラーチェック機能で算定ミスを防止できる

ワイズマンの請求ソフトには、強力なエラーチェック機能が標準搭載されています。

  • 算定要件チェック:
    基本サービス費と加算の組み合わせが適切か、算定回数の上限を超えていないかなどを自動でチェックします。
  • 整合性チェック:
    訪問看護計画書に入力された内容と、レセプトの内容に矛盾がないかをチェックします。

実際にワイズマンのシステムを導入した介護施設からは、「記録業務にかかる時間を30%削減できた」「請求漏れや過誤請求が減り、経営改善につながった」といったお声をいただいています。
システムがダブルチェックしてくれる安心感で、精神的な負担も大きく軽減します。

斉藤 圭一氏
斉藤 圭一氏

訪問看護の請求業務は制度変更への対応やミスの許されない正確性が求められ、事業所の負担が大きい領域です。本記事は、2024年6月改定の最新情報に基づき、介護保険における訪問看護のサービスコードや加算・減算の算定要件を網羅的に解説しており、実務に直結する内容となっています。特に、複数名訪問やターミナルケア加算といった高単位の項目は、算定漏れが経営に影響を及ぼすため、具体例を交えた説明は非常に有用です。また、返戻を防ぐ3つのチェックポイントは現場視点で実践的です。初心者からベテランの請求担当者まで、日々の業務の見直しや確認ツールとして活用できるでしょう。訪問看護に関わる管理者・請求担当者にとって、制度を正しく理解し、適切な請求を行うための信頼できる資料といえる内容です。

訪問看護のサービスコードを確認して算定漏れを防ごう

訪問看護のサービスコードは介護保険と医療保険で異なるため、正しいコードを確認して算定漏れを防ぐことが重要です。

基本サービス費に加え、多様な加算を正しく算定することが安定した経営につながります。返戻を防ぐには「書類の照合」「最新情報の確認」「ツールの活用」が重要です。

日々の請求業務は複雑で、間違いが許されないプレッシャーのかかる仕事です。しかし、正確な請求業務は、事業所の経営を支え、質の高い看護サービスを地域に継続して提供するための大切な基盤となります。

複雑な請求業務を効率化したいならワイズマンの看護システムを導入して、正確なレセプトを行いましょう。

監修:斉藤 圭一

主任介護支援専門員、MBA(経営学修士)

神奈川県藤沢市出身。1988年に早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、第一生命保険相互会社(現・第一生命保険株式会社)に入社。その後、1999年に在宅介護業界大手の株式会社やさしい手へ転職。2007年には立教大学大学院(MBA)を卒業。 以降、高齢者や障がい者向けのさまざまなサービスの立ち上げや運営に携わる。具体的には、訪問介護・居宅介護支援・通所介護・訪問入浴などの在宅サービスや、有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅といった居住系サービス、さらには障がい者向けの生活介護・居宅介護・入所施設の運営を手がける。 また、本社事業部長、有料老人ホーム支配人、介護事業本部長、障害サービス事業部長、経営企画部長など、経営やマネジメントの要職を歴任。現在は、株式会社スターフィッシュを起業し、介護・福祉分野の専門家として活動する傍ら、雑誌や書籍の執筆、講演会なども多数行っている。

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