フェイスシートのテンプレート作成方法!書き方・記入例を徹底解説

2026.03.05

日々の業務に追われる中で、新しく担当する利用者のフェイスシート作成に時間を取られていませんか。既存の書類フォーマットが使いにくく、見直しを考えている方もいるでしょう。

効率的かつ網羅的に利用者情報を把握するには、テンプレートの活用がおすすめです。

この記事では、すぐに使える分野別のフェイスシートテンプレート作成方法をまとめています。おすすめのフェイスシートテンプレートと記入例もあわせてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

フェイスシートとは

フェイスシートとは

フェイスシートとは、利用者に関する基本的な情報をまとめた書類です。氏名や年齢、家族構成、生活歴といった客観的な事実を記録し、支援の第一歩として利用者の全体像を把握するために作成されます。
単なる基本情報シートではなく、一人一人に合った個別ケアを実現するための重要なツールです。

フェイスシートの目的

フェイスシートを作成する主な目的は、以下の3つに整理できます。目的を意識して、より価値のあるフェイスシートを作成しましょう。

目的具体的な内容
1. 利用者理解の深化生活歴や価値観を知ることで、その人らしさを深く理解できる
2. ケアプラン作成の基礎利用者のニーズや課題を分析し、個別性の高いケアプラン(支援計画)を作成できる
3. 多職種連携の円滑化介護士、看護師、ケアマネジャー、相談員など、多様な専門職が利用者の情報を正確かつ迅速に共有できる

フェイスシートとアセスメントシートの違い

フェイスシートと混同されやすい書類に、「アセスメントシート」があります。フェイスシートが事実の記録であるのに対し、アセスメントシートは課題の分析を行うという点で異なります。

項目フェイスシートアセスメントシート
目的・役割事実の記録 (What)課題の分析 (Why/How)
主な内容客観的な基本情報(氏名、家族構成、既往歴、ADLなど)を網羅的に記録フェイスシートの情報に基づき、課題の原因を分析し、ニーズを明確化して支援の方針を検討
作成タイミング主に支援の初期段階(インテーク時)に作成フェイスシート作成後、ケアプラン(支援計画)を作成する前に作成
関係性アセスメントシートを作成するための基礎情報フェイスシートの情報を元に質の高いアセスメントを作成

双方の違いを理解し、両方を適切に活用することが、質の高い支援には不可欠です。

フェイスシートの項目と記入例

フェイスシートの項目と記入例

ゼロからフェイスシートを作成するのは大変ですが、テンプレートを活用すれば情報収集の抜け漏れを防ぎつつ、誰が作成しても一定の質を担保できます。
また施設内でフォーマットを統一することで情報共有がスムーズになり、業務の属人化を防げます。

フェイスシートの項目は、主に下記のとおりです。

  • 利用者の基本情報
  • 要介護認定の有無
  • 身体状況
  • 相談内容
  • 生活歴・生活状況
  • 既往歴
  • 家族情報・家族構成
  • 現在利用しているサービス

利用者の基本情報

利用者の基本情報は、フェイスシートの最初に配置する項目です。正確に記入することで、担当変更時や緊急時の連絡対応をスムーズに行えます。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 氏名
  • フリガナ
  • 生年月日・年齢
  • 性別
  • 住所
  • 電話番号
  • 連絡可能時間帯
記入例
氏名:山田 花子(やまだ はなこ)
生年月日:昭和22年3月15日(78歳)
性別:女性
住所:大阪府大阪市〇〇区△△町1-2-3
電話番号:080-□□□□-△△△△(連絡可能時間:9:00~18:00)

要介護認定の有無

要介護認定の情報は、介護の必要度やサービス計画に直結する重要な情報です。フェイスシートで把握しておくことで、ケア方針の根拠として活用できます。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 要介護認定の区分(要支援1〜要介護5)
  • 認定日・有効期限
記入例
要介護区分:要介護3
認定日:2024年5月1日
有効期限:2026年4月30日

身体状況

身体状況は、利用者の健康状態やケア提供の前提となる項目です。日常生活動作(ADL)や既往症、服薬状況などを正確に記載します。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 身長・体重
  • 歩行状態(自立/要介助/車椅子)
  • 服薬状況
  • 排泄・食事の状態
  • 視力・聴力の状態
記入例
身長・体重:155cm/53kg
歩行:屋内自立、屋外は杖使用
排泄:自立(トイレ誘導あり)
食事:普通食(咀嚼・嚥下に問題なし)
視力:右0.6/左0.8
聴力:補聴器使用

相談内容

相談内容は、利用者や家族からの要望・困りごとを記載する項目です。介護サービスの質向上のため、具体的な状況や背景も記載します。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 主訴(困っていること)
  • よくある状況や発言
  • 家族・利用者からの希望
記入例
主訴:夜間に頻繁にトイレに行きたがる
背景:転倒の不安があり、認知症の症状で夜間の不安が強い
希望:転倒予防のため就寝前の巡回支援希望

生活歴・生活状況

生活歴・生活状況の情報は、利用者の背景を理解し、個別性のあるケア計画を立てるうえで役立ちます。趣味や日々の過ごし方も記載します。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 経歴(職歴・趣味)
  • 生活リズム(起床/就寝時間)
  • 生活のこだわり(食事の好み・習慣)
記入例
職歴:元小学校教諭(30年勤務)
趣味:園芸・編み物
生活リズム:6:30起床/21:00就寝
食事の好み:和食中心、塩分控えめ希望

既往歴

既往歴は、利用者の健康状態を総合的に把握するために不可欠な項目です。疾患名だけでなく、治療歴や現在の治療状況も整理して記載します。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 過去の病歴(疾患・手術歴)
  • 現在の治療/服薬
  • アレルギー
記入例
既往歴:糖尿病(診断:2010年)、高血圧
手術歴:右膝人工関節置換術(2018年)
服薬:毎朝糖尿病薬服用、高血圧薬投与中
アレルギー:特になし

家族情報・家族構成

家族情報・家族構成は、緊急時の連絡体制や日常支援の担い手を整理するのに役立ちます。関係性や同居状況、連絡先を明記します。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 同居家族(続柄・年齢)
  • 連絡先
  • 介護負担者の状況
記入例
妻:75歳(同居) 連絡先:090-△△△△-□□□□
長男:52歳(別居) 連絡先:080-□□□□-△△△
介護負担者:妻が日中対応、長男が週末支援

現在利用しているサービス

現在利用しているサービスの情報は、ケア計画の重複を防ぎ、連携を円滑に行うための重要な役割があります。サービス名・利用頻度・担当者名を記載します。

主な記載内容は、下記のとおりです。

  • 利用中のサービス(訪問介護/デイサービス等)
  • 利用頻度(週何回)
  • 担当者名
記入例
訪問介護:週3回(介護員:佐藤)
デイサービス:週2回(月・木)
訪問看護:月2回(看護師:中村)

フェイスシートのテンプレート

テンプレート

ここでは、現場ですぐに使えるExcel形式のテンプレートを分野別にご紹介します。自由に編集してご活用ください。

フェイスシートのテンプレート例

下記は、フェイスシートのテンプレート例です。事業所の業務内容・対応範囲に合わせて自由にカスタマイズしてご利用ください。

■ フェイスシート(テンプレート)
記入日: __年 __月 __日
氏名(ふりがな): 性別: □男性 □女性 生年月日: 西暦 __年 __月 __日
写真:____________

① 基本情報/連絡先
住所:〒________________
電話番号(自宅):________
携帯番号:________
年齢:__歳
障がいまたは疾患名:________
医療的ケア:□あり □なし
支援区分:________
緊急連絡先(優先順位)
氏名:____ 続柄:__ 電話:____
氏名:____ 続柄:__ 電話:____
氏名:____ 続柄:__ 電話:____

② 現在の生活場所
□自宅(単身) □自宅(同居) □グループホーム(事業所名:____ 担当者名:__ 電話:__)

③ 障がい者手帳
手帳名(□愛の手帳 □身体障がい者手帳 □精神障がい者手帳)
交付年月日:__年 __月 __日
程度/級:______
障がい名:______

④ 生活歴・家族構成
生活歴(乳幼児期~学齢期~職歴等):__________________ 家族構成
氏名:____ 同居:□同 □別 生年:__ 年齢:__ 続柄:__ 職業:__
氏名:____ 同居:□同 □別 生年:__ 年齢:__ 続柄:__ 職業:__ その他(キーパーソン、配慮点):________________

⑤ 経済・年金・収入状況
年金:□あり □なし(種別____/等級__/受給あり)
手当:□あり □なし(種別____/等級__)
収入状況:□本人就労 □本人年金 □家族就労 □家族年金 □生活保護

⑥ 支援機関・利用サービス
支援機関名:____ 種別:____ 具体的支援内容・利用頻度:___________

⑦ 食事(ADL)
食事体位介助:□自立 □見守り □一部介助 □全介助
食形態(主食/主菜/副菜/汁物):□常食 □カット □粥 □ミキサー等
とろみ剤使用:□あり □なし
食事所要時間:__分
好きな食べ物:____ 苦手な食べ物:____
食物アレルギー:□あり □なし(詳細:__)

⑧ 水分摂取
水分摂取介助:□自立 □見守り □一部介助 □全介助
水分摂取方法:□コップ □ストロー □経管栄養等
一日の摂取量:__ml/日

⑨ 排泄
基本動作(歩行/着脱/手洗い):□自立 □見守り □一部介助 □全介助
排泄方法:□トイレ □おむつ交換 □両方
使用器具:□尿器 □ポータブルトイレ等
失禁:□あり □なし(頻度:__回/日)

⑩ 着脱・衣類管理
季節に合った服装の選択:□自立 □介助
衣類着脱の支援:□あり □なし
上肢/下肢の着脱支援詳細:__________

⑪ 入浴
入浴方法:□一般浴 □特浴 □その他
入浴頻度:__回/週
介助レベル:□自立 □見守り □一部介助 □全介助

⑫ 移動
歩行状態:□自立 □見守り □一部介助 □全介助
使用補助具:□杖 □歩行器 □車椅子等
移動時の体位・介助:__________

⑬ コミュニケーション
意思表出方法:□発語 □表情 □視線 □その他
発語/理解レベル:□あり □やや困難 □困難
書字・理解:□自立 □補助

おすすめのフェイスシートテンプレート

以下は、一般公開されているExcel・PDFでのフェイスシートテンプレートです。

  1. 社会福祉法人 睦月会(フェイスシートPDF)

    PDF形式のフェイスシートテンプレートです。家庭情報・生活状況・既往歴・利用中サービスなど項目が整理されています。
  2. 大阪府「事業者様式ライブラリー」

    介護事業者向けにさまざまな様式テンプレートが公開されています。大阪府以外でも活用できます。
  3. ケアマネジメントオンライン(フェイスシート)

    ケアマネジャーや介護現場向けの オンラインテンプレート集です。Excel形式で編集できるため、カスタマイズに向いています。

フェイスシートを書く際の注意点

注意点

フェイスシートは、利用者のケアプランや支援計画の基礎情報として極めて重要な文書です。正しく、わかりやすく書くことで、スタッフ間の情報共有が円滑になり、ケアの質が高まります

フェイスシートを記入する際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 誰が読んでもわかりやすく書く
  • 空欄を残さない
  • 簡潔にまとめる
  • 客観的な事実のみ書く
  • 最新の情報に更新する
  • 施設外に持ち出さない
  • 厳重に保管する
  • サービス終了後も保管する

誰が読んでもわかりやすく書く

フェイスシートは介護スタッフだけでなく、ケアマネジャー、看護師、家族など複数の関係者が見る可能性があります。専門用語の乱用や曖昧な表現は避け、誰が読んでも意味がわかるように書きましょう。

空欄を残さない

空欄があると、担当者によって解釈が分かれたり、重要な情報が抜け落ちたりするリスクがあります。基本情報や連絡先、要介護認定区分・有効期限などは必ず記入し、空欄を残さないようにしましょう。

もし該当する情報が不明な場合は、「不明(確認中/日付等)」など補足コメントを添えておくと対応漏れを防げます。

簡潔にまとめる

情報は正確であると同時に、簡潔にまとめることも重要です。要点を押さえ、冗長な表現は避けることで、読み手が短時間で情報を把握できます。

客観的な事実のみ書く

記録の基本は、客観的な事実をありのままに記述することです。主観や憶測、評価を交えずに、見たこと、聞いたことをそのまま書くように心がけましょう。

注意点悪い例(NG)良い例(OK)
客観的な事実のみ書く頑固で、こちらの提案を受け入れない。「デイサービスの利用を提案したが、『まだ必要ない』との発言があった。」
誰が読んでもわかりやすく書く廃用が進んでおり、ADLは全介助レベル。「長期間ベッドで過ごしていたため、筋力が低下しています。食事、排泄、入浴などの日常生活全般に介助が必要です。」

最新の情報に更新する

フェイスシートは一度作成したら終わりではありません。利用者の状態は時間とともに変化するため、定期的な見直し・更新が必要です。更新日を明記し、最新の情報を反映させましょう。

施設外に持ち出さない

フェイスシートには個人情報が多く含まれるため、利用者本人の許可なく施設外に持ち出さないことが原則です。

スマートフォンやUSBに保存したまま外出先に持ち出すことは避け、必ず事業所内で管理・参照してください。

厳重に保管する

フェイスシートは個人情報保護の観点から、厳重に保管する必要があります。紙媒体であれば鍵付きのキャビネット、電子データであればアクセス制限付きのフォルダを利用し、閲覧権限を限定することが重要です。

サービス終了後も保管する

利用者との契約が終了した後も、フェイスシートを含む記録は法令等で定められた期間、保管する義務があります。

自治体によって保管期間は異なりますが、一般的にフェイスシート使用開始より5年間、サービス終了より2年間の保管義務が設けられています。

施設の規定を確認し、適切に保管・管理してください。

参照元:渋谷マイポータル|介護予防・日常生活支援サービス事業

梅沢 佳裕氏
梅沢 佳裕氏

本記事は、福祉・介護現場で用いられるフェイスシートについて、その役割や活用のポイントを整理し、記入時の注意点から保管・共有に関する留意点までを、現場の実務に沿って分かりやすくまとめています。フェイスシートは、利用者の基本情報や生活背景、支援上の配慮事項などを一枚で把握し、支援方針の検討や多職種連携を円滑に進めるための土台となる資料であり、日々の支援の質を支える重要な実務ツールといえます。運用上のポイントは、空欄を埋めること自体を目的化するのではなく、支援に必要な情報を適切に選び、分かりやすく整理し、状況の変化に応じて更新していくことです。また、個人情報を扱う文書である以上、事業所内の規程やルールに基づく保管方法、閲覧範囲、共有手順を明確にし、関係職員が共通理解のもとで運用することが欠かせません。本記事は、現場が過度に構えすぎることなく、フェイスシートを「支援を整えるための基本資料」として位置づけ、日常業務の中で有効に活用していくための参考になる内容といえるでしょう。

まとめ:フェイスシートのテンプレートを活用して業務効率化しよう!

この記事では、フェイスシートの目的や書き方、現場ですぐに使える分野別のテンプレートをご紹介しました。
フェイスシートの作成は単なる事務作業ではなく、利用者を深く理解し、質の高い支援を提供するための、非常に重要なプロセスです。

今回提供したテンプレートを活用することで、書類作成にかかる時間を大幅に短縮可能です。空いた時間を活かし、利用者とのコミュニケーションやケアの質を向上させましょう。

監修:梅沢 佳裕

人材開発アドバイザー

介護福祉士養成校の助教員を経て、特養、在宅介護支援センター相談員を歴任。その後、デイサービスやグループホーム等の立ち上げに関わり、自らもケアマネジャー、施設長となる。2008年に介護コンサルティング事業を立ち上げ、介護職・生活相談員・ケアマネジャーなど実務者への人材育成に携わる。その後、日本福祉大学助教、健康科学大学 准教授を経て、ベラガイア17 人材開発総合研究所 代表として多数の研修講師を務める。社会福祉士、介護支援専門員、アンガーマネジメント・ファシリテーターほか。

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