【医療業界動向コラム】第179回 令和8年度診療報酬改定における医療DX、包括期充実体制加算、病棟薬剤業務実施加算に対する評価のポイント

2026.03.17

令和8年3月5日、令和8年度診療報酬改定の告示と説明会資料が公表され、答申ではわからなかった詳細部分が明確になってきている。ここでは、電子的診療情報連携体制整備加算、地域包括医療病棟入院料、包括期充実体制加算、病棟薬剤業務実施加算について確認する。

電子的診療情報連携体制整備加算、マイナ保険証の利用促進から情報共有・利活用の促進へ

医療DX推進体制整備加算等から新たになった電子的診療情報連携体制整備加算において、マイナ保険証の利用率は加算1-3(入院の場合は加算は1-2)すべてにおいて30%以上となった。多くの医療機関では加算3は算定できると考えられるが、加算1・2については、電子カルテ情報共有サービス及び電子処方箋の導入が必須となる。しかし、電子カルテ情報共有サービスについては、本年12月のリリース予定となっている。その為、電子カルテ情報共有サービス以外の場合として、地域医療情報連携ネットワークシステムへの参画を代替として要件としている。ただし、登録患者数などの実績が求められる点に注意が必要だ(図1)。

図1 電子的診療情報連携体制加算の主な施設基準クリックして拡大表示)

なお、入院の場合の加算1及び2ではBCPの策定が必要となる。診療録管理体制加算にあったBCPの要件は削除され、点数は引き下げられている(図2)。多くの病院でBCPの策定が必要になるだろう。

図2 電子的診療情報連携体制加算の点数等クリックして拡大表示)

地域包括医療病棟入院料、高齢患者割合に応じてADL低下割合は7%未満に緩和。包括期充実体制加算に必要な実績も公表連携の新たなテーマ

DPCルールの厳格化に伴い、地域包括医療病棟への転換が増えてくることが考えられる。そうした事態も見越してか、既存の内科症例が多いDPC対象病院をイメージした施設基準・要件へと見直され、大幅な減収とならないような点数設定になっている。高齢患者割合に応じてADL低下割合も従来の5%未満から7%未満へと緩和されている(図3)。

図3 地域包括医療病棟入院料クリックして拡大表示)

また、包括期充実体制加算についても実績要件が明らかにされている(図4)。包括期充実体制加算とは、地域包括医療病棟・地域包括ケア病棟を対象としたもので、病床規模が200床未満で主にレスパイト入院などを評価するものといえる。地域・在宅の看護・介護者の負担軽減を図るなど、地域医療・介護の後方支援機能を評価するものだ。協力対象施設入所者入院加算の実績が求められることとなっている。

図4 包括期充実体制加算についてクリックして拡大表示)

病棟薬剤業務実施加算の新たな区分1で必要な実績を確認する

ポリファーマシー対策の評価である薬剤総合評価調整加算が今回見直され、転院先・退院先等へのポリファーマシーの取組に関する情報提供をすることまでが求められることとなった。また、その薬剤総合評価調整加算の実績に応じて病棟薬剤業務実施加算で新たになる加算1で300点/週という評価となることから注目を集めていた。今回、求められる実績が明らかになった(図5)。

図5 病棟薬剤業務実施加算等の見直しクリックして拡大表示)

実績値そのものについては、患者の傾向によるところはあるが、ややハードルは高いともいえる。医療ICT製品・サービスの導入で効率化を図り、薬剤師の確保に活かせるように算定を目指したい。

 

山口 聡 氏

HCナレッジ合同会社 代表社員

1997年3月に福岡大学法学部経営法学科を卒業後、出版社の勤務を経て、2008年7月より医業経営コンサルティング会社へ。 医業経営コンサルティング会社では医療政策情報の収集・分析業務の他、医療機関をはじめ、医療関連団体や医療周辺企業での医 療政策や病院経営に関する講演・研修を行う。 2021年10月、HCナレッジ合同会社を創業。https://www.hckn.work

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