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トップインタビュー

Q1パソコン用コンピュータシステムの開発事業を始められたきっかけと、今日までの経緯をお聞かせください。


A1
昭和58年当時は、まだ企業ではオフコンが主流でしたが、近い将来必ずパソコンとパッケージソフト活用の時代が到来すると信じて株式会社ワイズマンを設立しました。その後、地元(岩手県)の森林組合の委託を機に森林組合向けの業務ソフトの開発に着手し、昭和61年3月に初の製品を完成させ、東北地区の森林組合を対象に営業活動を開始しました。
 平成元年に林野庁の「ふるさと森林活性化対策事業」により全国の森林組合へのコンピュータシステム導入が決定しましたが、このことが当社にとって追い風となり、全国展開の営業活動を行う基礎が築けました。このビジネスを通して実感したことは、顧客の信頼獲得には迅速できめ細かいユーザーサポートが必要不可欠だということでした。
 以来、今日まで、ユーザーサポートは代理店に任せず自社の社員が直接対応しています。同時に、顧客のニーズに応える製品を迅速に開発するためには、現場の業務に精通したシステムエンジニアやサポート担当者と顧客とが緊密な関係を保つことが大切であることを学びました。この開発とサポートの活動実績が認められ、平成2年には地元の福祉施設からの依頼で、社会福祉法人向けのコンピュータシステム開発を契機に福祉分野へ進出しました。そして、その年に厚生省から発表された「高齢者保健福祉推進10ヶ年戦略」に着目し、製品のパッケージ化を図りました。また、他社に先駆けて老人保健施設向け、知的障害者施設向け、自治体向けと製品ラインアップの拡充を図りました。
 当時、ソフトウェア開発業者にとってこの分野はニッチな市場であり、大手の参入が比較的少なかったことも一つの要因ではありますが、何よりも当社の製品ラインアップの充実度、現場のニーズを的確にとらえた高い品質、顧客サイドに立ったサポート体制の整備など、ワイズマンの経営姿勢が全国の福祉施設に支持され、この分野の市場リーダーとなることができました。

Q2ワイズマンが事業展開している市場の見通しについてご説明ください。


A2
まず、福祉情報システム市場についてですが、国は、高齢化社会に備え、平成6年に策定した新ゴールドプランを引き継ぐ形で「ゴールドプラン21」を平成12年に策定しました。国の高齢者保健福祉整備計画となる「ゴールドプラン21では、介護サービスの基盤整備と生活支援対策などが重点施策となります。 こうした方針を受け、平成12年4月に施行された介護保険法は、平成18年4月大幅に改正されました。従来の介護重視型から予防重視型システムへの転換、施設系・在宅系といった一般的なサービスから、新たなサービス体系の確立が打ち出されたことによる、新たなシステム需要が発生いたします。
 具体的には、介護予防サービスや小規模多機能型施設の普及、グループホームの整備、医療機関も含めた地域包括ケアシステムの構築など、さまざまな新サービスが実現し、そこに新たなビジネスチャンスが多数生まれるものと考えております。
 また、現在の医療機関向け情報システム市場は、電子カルテを中心に動いており、当社の主力製品も電子カルテ関連となっていきます。国は平成18年1月にIT新改革戦略を発表し、その中でITによる医療の構造改革を掲げました。平成23年度当初までにレセプトの完全オンライン化や、医療情報化インフラの整備を目標にしております。特に電子カルテの普及について、400床未満の医療機関については、平成22年度までに導入する目標を掲げました。それに対して現在の普及率は10%程度とされており、今後本格的な導入期を迎えるものと予想しております。

Q3福祉、医療そしてITに関わる外部環境は大きく変化しているようですが、ワイズマンの事業戦略とは?


A3
福祉分野においては、さらに競争優位性を確保するためにも、他社との一層の差別化を図っていきたいと思っております。具体的には、トータルソリューションを提案できるように製品ラインアップをさらに充実させていきます。各システムの機能アップを図り、操作性を向上させていきます。またコールセンターの充実、WebによるQ&A対応サイトであるレスキュープラザの充実、自社の社員によるきめ細かいサポート等により、顧客満足度を高めていきます。
 次に、医療分野ではポイントとなる電子カルテシステムの機能の充実を図るとともに、福祉分野のシステムとの連動を意識し、福祉系の施設を併設する医療法人に対しトータルソリューションを提供していきます。
 さらに、平成17年8月からインターネットを活用するASPサービスの立ち上げを行いました。これによりシステムの月額料金制を実現し、将来的には安定的な売上の確保と利益率の向上を実現します。
Q4すでに市場において確固たる地位を築いているワイズマンの強みとリスクとその対応は?


A4
福祉分野を中心に事業展開を図ってきたこれまでは、小回りのきく製品開発・販売体制と顧客ニーズへの積極的な対応姿勢が市場で高く評価されてきました。特に代理店販売が主体の当業界において、自社販売・自社サポートのポリシーを貫き、全国規模の販売・サポート体制を構築したことはワイズマンの最大の強みとなっております。
 また、介護保険法は毎年法改正が行われるため、それに伴いシステムのバージョンアップが必要となりユーザー数に関係なく開発費用が発生しますが、シェアが高くユーザー数が多ければ、1ユーザー当りの開発費用は少なくてすみます。それゆえに、この高いシェアが当社の強みとなっています。
 すでに当業界においてはトップともいえるスケールメリットを最大限活用し、統合的かつシステム連動性に優れた、『価値ある』製品を提供してまいります。
 また、当社にとってのリスク要因は、セキュリティーとシステム障害であると認識しています。セキュリティー面として顧客情報の漏洩については、万全を期していきます。システム障害面としては、ユーザー数が多ければ多いほど、その影響はより大きくなる障害の発生を未然に防ぐシステムの品質保証体制を強化維持するとともに、障害が発生したときに迅速な対応ができるような体制の構築が重要であると考えています。

Q5今後のワイズマンの成長をどのようにイメージされていますか。


A5
福祉情報システム分野において既存ユーザーを中心に順次ASPサービスに移行する計画を推進中です。このASPサービスにより、これまでの売切り型の売上方法から、月額料金制の売上方法にビジネスモデルを変換することになります。そして将来の収益の安定化と利益率の向上を実現します。
 医療情報システム分野においては、電子カルテシステムの市場は今後拡大していくと想定されます。そこで、システムの製品ラインアップの強化と福祉系システムとの連動を実現し、医療情報システム市場で大きく成長していきたいと思っています。
 さらに3年後、5年後を想定した新規事業が立ち上がるような組織を構築したいと考えています。
 いたずらに事業規模の拡大を求めるのではなく、安定的な成長を実現できるようバランスのとれた企業を目指しています。

Q6ワイズマンの経営戦略はどのようなものになるのですか?


A6
当面は福祉・医療分野のシステム開発に経営資源を集中することが最良の策だと思っています。
 現在、福祉情報システム分野においてASPサービスを本稼動させており、これまでの売切り型から、安定収入型へのビジネスモデル変換を目指しています。これにより将来の収益の安定化と利益率の向上を実現します。ASPサービスは、中央のデータセンターにサーバーを設置して、インターネットを利用してお客様が必要なソフトウェアを利用するもので、これによりバージョンアップや顧客サポートが容易になります。お客様にとっても、サーバー設備導入などの初期投資が軽減され、また、年数回行われる法改正の都度必要だったお客様側のバージョンアップ作業が不要となるため、より使いやすいというメリットがあります。
 今後もワイズマンは、自社販売・自社サポートによる高付加価値サービスを通じ、コンピュータシステムの販売から顧客の経営に貢献するソリューション・プロバイダーへの道を目指していきます。

Q7株主還元のあり方についてご説明ください。


A7
株主への利益還元については、配当で還元することを基本とし、各期ごとの利益状況に応じた特別配当、さらには会社の状況などに応じた記念配当を積極的に実行してまいりたいと考えております。利益状況が想定より悪い場合であっても、配当可能原資があれば安定配当を継続して実現したいと考えています。
 また企業価値の向上を図るためにも、配当可能原資を確保するためにも先行投資とのバランスをとりながら内部留保を積み上げていきたいと考えています。